柔道の渡名喜風南、モンゴルでの単身武者修行で飛躍 食事と練習方法を吸収「すごく勉強に」 – 東京新聞

基本問題


渡名喜風南選手

 開会式翌日の24日には、各競技が本格的にスタートする。メダル量産が期待される柔道では、男子60キロ級の高藤直寿たかとうなおひさ、女子48キロ級の渡名喜風南となきふうな(ともにパーク24)が日本のトップバッターとして登場。頂点を目指して、畳に上がる。

 異例となる自費での単身武者修行だった。渡名喜の転機は2019年1月、ライバルの元世界女王ムンフバット・ウランツェツェグがいるモンゴル代表合宿に1週間参加したことだ。「モンゴル選手は体の力、体幹が強い。どういう練習をしているのか。食生活を含め、学びたかった」。理由はもう一つ。「自費で海外の合宿に参加することで日ごろの感謝、ありがたみを知りたかった」

 自ら飛行機の手配をし、一人で飛び立った。男子選手やムンフバットとモンゴル相撲のように組み合う。日本ではなじみのない、不安定な状態からゴムチューブを使った筋力トレーニングも。気温マイナス30度の中、足場の悪い山道を2時間近く走ることもあった。「厳しい練習をやっているなと思った。体幹が鍛えられるのも分かった」

 ムンフバットから食事に誘われた。「肉はあまり好きじゃないんだよ」と告げると、「肉を食べないと強くなれないよ」と助言を受け、口にしてみた。現地の味付けもよく、それ以降、牛肉が好きになり、1日1食は肉を食べる。

 「すごく勉強になった。ゴムチューブの練習を取り入れたり。今は肉を好んで食べるし、けがをしない体になった」。モンゴルで吸収した練習方法と食事。一人で海外修行をこなした自信。強くなるための大きなヒントを得て、大舞台に挑む。 (森合正範)

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