GIGAスクール構想で導入されたiPadを使うと、どのような授業ができるのか、どのような活動で、どのようなアプリが活かせるのか。そのヒントが詰まったカリキュラムガイド『あらゆる学びを創造的にデザインする』を、Appleテクノロジーで教育現場の変革に努める教育イノベーター「Apple Distinguished Educator(以下、ADE)」らが無料公開した。いずれも、「Apple Books」のアプリからダウンロードできる。
同カリキュラムガイドは小学校編、中学校編が用意されており、写真や動画、授業案などを添えて、わかりやすく解説している。また、全体を通して、児童生徒の情報活用能力の育成や探究学習に重点が置かれているのも特徴だ。
小学校編の実践事例は、低学年・中学年・高学年に分けて、2例ずつ紹介。低学年の国語では、カメラアプリとプレゼンテーションアプリ「Keynote」を使った「カタカナビンゴをしよう」という実践や、中学年の理科では「野草を探そう」をテーマに最終的に文書作成アプリ「Pages」を使って野草図鑑をつくる取り組みも紹介。そのほか、iPadを授業に取り入れるアイデアなどもまとめられている。
中学校編では、国語や数学などの主要教科に加え、美術や総合的な学習の時間の実践事例も紹介。動画編集アプリ「iMovie」を活用した理科の授業「お天気情報番組をつくろう」や、AR機能が使える数学アプリ「GeoGebra空間図形」を用いた授業「空間図形を見つけよう」など、今までの授業がさらに楽しくなる活用がまとめられている。
『あらゆる学びを創造的にデザインする』(小学校編)。著者:岳野公人(滋賀大学教育学部教授)、大崎貢(上越教育大学附属中学校・理科教諭)、吉本悟(福岡市立福岡西陵高等学校教諭・国語科)、赤澤徹哉(三田国際学園中学校・高等学校・数学科)、福島祥雅(東京成徳大学中学・高等学校教諭・社会科)、岡本竜平(関西学院千里国際中等部高等部・理科教諭)、長野里香(三田国際学園中学校・高等学校教諭)、廣重求(東京成徳大学中学・高等学校・数学科)、市川由布子(三田国際学園中学校・高等学校・美術科)、品田健(聖徳学園中学・高等学校・学校改革本部長)、菅原慎太(三田国際学園中学校・高等学校・数学科)、中村純一(佐賀龍谷学園龍谷中学校英語科教諭)、矢野充博(和歌山大学教育学部附属中学校教諭)、外村拓也(同志社中学校技術家庭科教諭)、芥隆司(新渡戸文化中学・高等学校数学科教諭)
教育現場での実践を通じて、小学校編・中学校編とも、iPadの良さを知り尽くしたADEの教育者が執筆しており、活用方法だけでなく、iPadを授業で使う楽しさが伝わってくる。児童生徒の声や作品も掲載されており、iPadを活用することでクリエイティブな授業ができることもわかるだろう。iPadが導入された学校の教育者には、ぜひ手に取ってみてほしい。
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