本連載では、合格者のうち実際にその大学に進学した人の割合を「本命率」と呼んでいる。今年の難関10国立大全体の現役本命率は97.7%だった。大学別にみると東大が99.9%でトップ、次いで京大が99.5%。以下は一橋大99.3%、名古屋大98.8%、東京工業大98.6%、大阪大98.5%、東北大97.4%、九州大96.1%、神戸大95.5%、北海道大94.6%の順だった。さすがに難関国立大だけあって本命率は高い。その中で本命率が比較的低いのが九州大、神戸大、北海道大だ。この3大学に共通しているのは後期の募集人員が多いことだ。今春の一般選抜(一般入試)では北海道大484人、神戸大375人、九州大259人だった。九州大の次に後期の募集人員が多いのは東北大の93人だから、この3校が突出して多いことが分かろう。
近年の一般選抜での国立大併願は、前期で第1志望を受け、後期は前期よりランクを落としたり、地元の大学を受けたりするのが一般的だ。今年はコロナ禍により前期から地元の大学を受けるケースも増えているようだが、基本は大きくは変わらない。後期で合格しても、前期で不合格だった第1志望を諦めきれず、入学を辞退する受験生も少なくないようだ。そのため、後期の募集人員が多い大学の本命率が低くなっているとみられる。
10大学すべてに現役進学者がいる共学3校
そんな状況下で難関10国立大現役進学率トップは、灘(兵庫)の49.1%だった。卒業生の約半数が難関10大学に現役で進学していることになる。2位は筑波大附駒場(東京)の45.6%だ。3位は札幌南(北海道)、4位は甲陽学院(兵庫)、5位は北野(大阪)だった。なかでも筑波大附駒場は、難関国立大10校中3校にしか合格者がおらず、そのうち東大が96%を占めている。逆に10大学すべてに進学しているのは、3位の札幌南、8位の西大和学園(奈良)、9位の札幌北(北海道)など、すべて共学校というのも特徴だ。また、ランキングのトップ10に入っている首都圏の学校は、筑波大附駒場と7位の聖光学院(神奈川)の2校だけ。首都圏以外で難関国立大志向が高いといえよう。
大学ごとの現役進学者数トップ校を見ると、東大は14位・開成(東京)の106人、京大は北野の59人、北海道大は札幌北の95人、東北大は28位・仙台第二(宮城)の69人、名古屋大は19位・刈谷(愛知)の74人、大阪大は12位・茨木(大阪)の58人、九州大は52位・筑紫丘(福岡)の77人、東京工業大は20位・浅野(神奈川)の18人、一橋大は74位・国立(東京)の18人、神戸大は30位・西宮・市立(兵庫)の40人だった。京大、東京工業大を除き、すべて地元都道府県の進学校がトップを占めた。
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