県外受験後に陰性証明書の提示を求める掲示=鹿児島市高麗町の鹿児島高等予備校
新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、受験シーズン真っ盛りを迎えた。鹿児島県内も受験生のいる家庭では、学校に送迎したり食事を別々にしたり、一層の感染対策を図る。学校や予備校も県外受験後の対策に腐心。昨年以上に緊張感が漂う。
5人家族の鹿児島市の主婦(50)宅は、高校3年の長女と中学3年の次男が受験間近。家族が感染しても受験生が濃厚接触者にならないようにと食事は受験生がリビング、夫(53)と長男(25)はキッチンに分かれて取る。
主婦は今週末、県外での大学受験に向かう長女に同行予定。次男の高校入試のある3月まで、県外に行った2人は個室にこもり、家族との接触を極力減らすつもりだ。「とにかく無事に試験当日を迎えてほしい」
同市桜ケ丘3丁目の女性(52)は3学期に入り、公共交通機関での不特定多数との接触を避けるため、高校3年の娘を学校まで送迎するようになった。
中学3年の長男が受験を控える同市の主婦(45)宅の小学4年の次男は、放課後に友だちと会って遊ぶのを控えている。「子どもが不安にならないよう、家の中ではいつも通り和やかな雰囲気づくりを心掛けている」と明かす。
県内であっても離島から本土への移動には気を使う。種子島高校の3年生は先週末、私大受験のため鹿児島市に滞在した。「人が多いところに行くので消毒スプレーを持ち歩いた。国立大2次試験まで気が抜けない」
同市のラ・サール学園の寮生や下宿生は、受験などで県外から帰省後5日間、食事を食堂ではなく個室などで取り、浴室利用も他の生徒と時間をずらす。寮内は常にマスク着用。まん延防止等重点措置適用期間中の外出は近隣のコンビニなどに限り、外食は禁止だ。宮崎利広教頭(60)は「移動時の乗り物内での飲食にも気をつけてほしい」と話す。
鹿児島高等予備校(同市)は、共通テスト後に全受験生に県外受験時の注意書きを配布した。帰鹿後の登校時はPCR検査か抗原検査の陰性証明の提示を要請。陰性でも体調不良時は自宅待機を求める。田淵敏彦校長(66)は「環境や接する人が普段と違う県外では特に気をつけなければならない。体調万全で試験に臨めるよう細心の注意が必要」と強調した。
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