吃音「減点しないで」当事者ら要請 高校入試導入の英語スピーキング – 毎日新聞 – 毎日新聞

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写真はイメージ=ゲッティ

 2023年春の東京都立高入試に導入される英語のスピーキングテストを巡り、言葉に詰まったり同じ音を繰り返したりする吃音(きつおん)の当事者や専門家らによる有志の会が27日、吃音症状とみられる話し方を減点対象としないことなどを求める意見書を都に提出した。同会はスピーキングテストの高校入試導入が全国に広がる可能性もあるとみて、警鐘を鳴らしている。

 テストは今年11月に都内の公立中学3年生を対象に実施予定。結果を20点満点として都立高入試の総合得点に加点する。都教育庁指導企画課によると、21年度までに都内公立中で実施された「プレテスト」では、吃音のある生徒は、事前申請をすれば「問題を解くことに関する時間を3倍にする」などの特別措置を設けた。だが、採点基準では不自然な「間」や沈黙、「言いよどみ」が多い話し方が減点対象とされている。

 意見書では、こうした基準が「吃音のある生徒の本来の能力を過小評価する」と指摘し、採点の際の配慮を求めた。特別措置についても、生徒や保護者に十分理解されなかったり申請期限に間に合わなかったりする可能性があるとして、ホームページでの周知や申請期間を十分に確保することなどを求めた。

 吃音のある人は約100人に1人程度いるとみられる。からかいやいじめを経験し、人と関わることに不安を感じる社交不安症を抱える人もいる。有志の会の一人で自身も吃音のある九州大学病院の菊池良和医師は「高校入試への導入は吃音のある生徒の人生を左右しかねない」と適切な配慮を訴えた。【塩田彩】

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