全国の小学5年と中学2年を対象にしたスポーツ庁による今年度の体力調査の都道府県別の結果が公表された。大分県は結果を点数で表した「体力合計点」で、小学5年男子が全国1位、小学5年女子が2位、中学2年男子が2位、中学2年女子が5位と、全ての対象学年で過去最高の順位だった。九州内での順位はいずれも1位だった。
調査は、「握力」「上体起こし」「長座体前屈」「反復横とび」「50メートル走」「立ち幅とび」などの実技種目と、1週間あたりの運動時間など運動習慣を尋ねるもの。今年4~7月、県内では小学校248校、中学校121校で実施した。
体力合計点は、全国、県内とも2018年度をピークに低下傾向。だが、前回の19年度からの下がり幅は全国より小さい。
県教育委員会体育保健課は、好成績の要因として、13年度から全小中学校で実施している「一校一実践」の取り組みを挙げる。各校で一つ、鉄棒や縄跳び、ストレッチといった運動を定めて、朝の会や休み時間などの体育の授業時間外に取り組むものだ。
単純な走り込みではなく鬼ごっこを取り入れたり、目標を立てて取り組み、頑張ると賞状がもらえたりするなど、子どもが運動に楽しみを見いだせるよう各校で工夫しているという。新型コロナウイルス禍の中でも感染防止に配慮しつつ取り組みを続けたことが体力低下を抑える要因になり、順位アップにつながったと見ているという。
1週間あたりの運動時間の平均は、小5男子614・6分、小5女子386・8分、中2男子826・8分、中2女子580・7分。いずれも全国平均を上回ったが、全国、県内とも17年度をピークに減少傾向だ。中学校の運動時間減少については、部活動の練習時間を平日2時間、休日3時間とし、休養日の設定を求めたガイドラインができたことが影響しているとみる。
一方、1週間の運動時間が60分未満の子どもは小5男子7・2%、小5女子13・5%、中2男子4・6%、中2女子11・7%。いずれも全国平均を下回るが、14年度以降大きく変化していない。同課は運動する子どもとしない子どもの「二極化」があると分析する。
運動やスポーツが好きかを問う「愛好度」は、「好き」「やや好き」と答えたのは、小5男子91・5%、小5女子84・3%、中2男子90・1%、中2女子79・9%。いずれも全国平均を上回るが、男女差がある。
同課の加藤寛章課長(57)は「スポーツが苦手な子どもにも『わかる』『できる』『楽しい』授業になるよう改善を重ね、一校一実践の取り組みにも工夫を凝らしたい。子どもたちに運動好きになってもらうことで、二極化、男女差をなくしていき、結果的に体力が向上する、ということを目指したい」と話す。(中沢絢乃)
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