個性を出して!創作ダンス 埼玉県内4中学でプロの訪問授業 「受験で嫌な気持ちが一気に晴れ晴れ!」 – 東京新聞

基本問題



「だるまさんが本当に転んだ」場面を表現しようとしている生徒たち=春日部市の市立南中で

 彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)の訪問授業「MEET THE DANCE〜アーティストが学校にやってくる!」が、本年度も行われている。プロのダンサーを学校に派遣し、創作体験などでダンスの楽しさを伝える取り組みで、子どもたちは独自の感性を発揮して楽しんでいる。(前田朋子)

 訪問授業は中学校の保健体育でダンスが必修化されたことを受け、二〇一四年度から始まった。本年度は振付家・ダンサーで、ふじみ野市出身の川合ロンさん(36)らが講師を務め、県内の四中学校を訪れることにしている。

 授業ではただ体を動かすだけではなく、それぞれの気持ちや考えを体で表現することに重点が置かれる。春日部市立春日部南中では二十四日、三年生約百六十人が体験。うち二クラスの八十人は、「だるまさんが転んだ」の掛け声に合わせて自由にポーズをとるウオーミングアップから挑戦した。

 続いて一人ずつ日ごろ思っていることを大声で主張したり、音楽に合わせたダンスでは教わった振り付けに加えてオリジナルの決めポーズを披露したり。最初は恥ずかしがっていた子どもたちも徐々に目を輝かせ、プロを驚かせるポーズも飛び出した。

 川合さんは「中学生は(人生の)岐路に立つ年代。自分で道を選ぶ恐怖感、覚悟、楽しさを実感できれば」と授業の狙いを語る。

 率先して取り組み、授業を盛り上げた荻原大和さん(14)は、昨年はコロナ禍でダンスの授業がなく物足りなかったという。この日は思う存分、自分を表現できたようで「ダンスで解放され、楽しい気持ちになった。受験もあって嫌だけど、一気に晴れ晴れ。これからも頑張っていけそうです」と笑顔を見せた。



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