東京五輪「金」獲得信じて – 中日新聞

基本問題


園児らと記念撮影する岸大貴選手=小松市丸の内町の小松大谷幼稚園で

「トランポリン・岸 大貴選手」 小松の後輩園児 エール

 トランポリンの東京五輪代表で小松市出身の岸大貴選手(26)が九日、卒園した幼稚園と同市役所などを訪れた。首都圏会場は無観客開催が決まったが「まずは開催に感謝したい」と前向きに捉え、地元からのエールを受けて「金メダルを持ってここに戻ってきたい」と抱負を語った。 (坂麻有)

 同市丸の内町の小松大谷幼稚園では、約九十人の園児に拍手で迎えられた。岸選手は、在園当時を知る保育士から「大ちゃん」と呼ばれ、終始笑顔。岸選手が園児たちに「何色のメダルが見たい」と問いかけると、「金」とそろった声が上がり、地元の期待の大きさを感じた様子だった。

 市役所では、宮橋勝栄市長らから花束を受け取り、「今までの力を信じて演技し、メダルを獲得して」などと声援を受けた。三歳から地元で体操をしてきた岸選手は「幼い頃から小松市の皆さんに応援されてきた。地元への感謝と期待に応える覚悟を背負って五輪に臨む」と意気込んだ。

 無観客での開催には「見に行くと言ってくれた人もいるので残念」としつつ、「自分にとっては開催されないことが嫌な展開だった。まずは開催に感謝し、前向きな気持ちで五輪に臨みたい」と話した。

 同じくトランポリンで二〇一二年のロンドン五輪に出場し四月に引退を表明した姉・彩乃さん(28)については「姉が五輪に出た時から、五輪は夢ではなく現実の目標になり、姉の背中を追い続けた」と言及。五輪で男子トランポリンの成績は三大会連続で四位にとどまっており、「悔しい思いをしてきているので自分が頑張りたい」と話した。

 この日は母校の小松大谷高校での壮行会にも出席。十日には東京に戻り、練習を再開するという。

 トランポリン男子は三十一日、東京都江東区の有明体操競技場で開かれる。

「女子ライフル・平田しおり選手」 能美市庁舎 懸垂幕で盛り上げ

 能美市は九日、東京五輪に射撃の女子ライフルで出場する同市大成町出身の平田しおり選手(21)=明治大四年=の活躍を願って、市役所外壁に懸垂幕を掲示した。庁舎内にはペナントをつるし、一階市民ホールではパネル写真やメッセージボードなどを展示。「平田選手へ届け」とばかりに、地元の応援ムードを盛り上げていく。

 懸垂幕は長さ八メートル、幅一メートルで、「目指せ!金メダル!」と書かれている。井出敏朗市長がハンドルを回して幕を引き上げると、市体育協会の前多純也会長や大成町内会の川越清一会長ら見守った関係者が拍手した。

 市民ホールでは平田選手のサインが入った全身写真や、高校時代に着用した競技用ユニホーム、競技の説明パネルなどを展示した。聖火リレーのトーチなどの五輪グッズ一式や、来庁者が書き込める応援メッセージのボードもある。

 東京五輪の一都三県は無観客開催が決まったが、井出市長は「会場に行けなくても、市民一丸でそれぞれの家庭から応援していく。市の熱い思いを平田選手に届けたい」と述べた。

 この日から、スポーツ振興課などスポーツ関連部署の職員は、平田選手の似顔絵が入ったTシャツを着て勤務を開始。同課の勘田桂子さんは「二十四日に競技が始まる平田選手は、日本代表選手のメダル獲得第一号になる可能性もある。ぜひ頑張ってほしい」と活躍に期待を込めた。 (平井剛)

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