高岡高、中庭にクマ けが人なし 生徒避難、銃で駆除 朝の市中心部、目撃続く|社会|富山のニュース|富山新聞 – 富山新聞

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敷地内に侵入したクマが登っていた中庭の木=12日午前10時20分、高岡高



高岡高の中庭に侵入し、木に登るクマ=12日午前8時10分(高岡市有害鳥獣捕獲隊提供の動画より)

 12日午前6時14分ごろ、高岡高の敷地内で、クマ1頭が見つかり、高岡市の有害鳥獣捕獲隊が同8時18分、中庭の木に登っていたところを猟銃で駆除した。同校は登校していた生徒を近くの高岡古城公園に避難させ、同日を休校とした。けが人はいなかった。周辺には高校や中学校、市役所、JR氷見線越中中川駅などがあり、市中心部の住宅街は一時騒然となった。

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 高岡署によると、12日午前5時半から6時すぎにかけて、高岡高の北から東側に位置する能町東や古定塚などの住宅地で、クマ1頭の目撃情報4件が相次ぎ、署員が警戒していた。午前6時14分、警備員男性が同校中庭に侵入するクマを発見し、110番通報した。周辺で目撃された個体と同一とみられる。

 午前7時15分ごろに有害鳥獣捕獲隊3人と市職員が高岡高に到着し、捕獲に当たった。クマは雄のツキノワグマで、体長1メートルの成獣。中庭の藤棚に寝そべったり、複数の木に登ったりして動き回っていた。

 高岡署は、クマが同校周辺の市街地に脱走すると、住民に危害が及ぶ恐れもあることから、駆除すべきと判断。捕獲隊員が校舎3階の窓から、木の上にいたクマを銃で撃った。

  周辺の学校も警戒

 同署はクマを発見後、付近を巡回し、住民に注意を呼び掛けた。高岡高は、すでに登校していた生徒約30人を同校向かいの富山県高岡文化ホール敷地に避難させ、さらに西側へ約500メートル離れた高岡古城公園に移動させた。

 高岡高から200メートルの距離にある高岡工芸高は、生徒に自宅待機するよう連絡し、授業開始を2時間遅らせた。高岡龍谷高も生徒や保護者にクマに注意するメールを送り、授業開始を30分遅らせた。近くの志貴野中では教職員が通学路に立って登校中の生徒の安全を確保し、1限目の体育の授業をグラウンドから体育館に変更した。

  新田知事「大変驚き」

 新田八朗知事は、高岡高でのクマの出没を知らせるメールが朝一番で届いたとし「大変驚くとともに、人身被害がなく胸をなで下ろしている」と述べた。

 12日の定例会見で記者団に見解を尋ねられ、県内のほかの地域でも起こりうると指摘し、警戒を求めた。

 富山県教委は同日、県内の県立学校に対して、クマや不審者が出没した場合の対応をあらためて確認するよう通知した。保健体育課の担当者は「県内で高校の中庭にクマが侵入したのは初めてではないか」と話した。

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