【長崎】聖火ランナー 軽傷ではない飲酒事故被害者・前川希帆さん(25)の思い(長崎文化放送) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

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 5月7日(金)と8日(土)、長崎県内で東京五輪の聖火リレーがコロナ対策のもと実施されます。ランナーの思いを取材しました。
 
 前川希帆さん25歳。佐世保市の九州文化学園高校の音楽教諭です。高校に吹奏楽部はありませんが、それでも吹奏楽がやりたいと集まって来た5人の生徒を連れて1日、母校の佐世保東翔高校へ行き、楽器と場所を借りて練習しました。
 
 希帆さんは高校3年生だった2013年11月3日、くらしき作陽大学音楽学部の推薦入試を受けようと、母親が運転する自家用車で当時の地元の佐々町からJR佐世保駅に向かう途中、飲酒と無免許運転の男が運転する車に正面衝突され、顔や手にひどいけがをしました。中学から吹奏楽部に所属し、トランペット一筋。長崎県のソロコンテストで金賞に輝く音色を奏で、プロの演奏家を夢見ていましたが演奏に欠かせない前歯4本を失いました。
 
 事故直後は「入れ歯」。大学入学後はインプラントの前歯を施し、必死の思いで練習を続けましたがかつての音色は戻りませんでした。その一方、教職課程を履修し音楽教諭の免許を取得。長崎県立高校の採用試験に挑みながら2018年から3年間、南島原市の長崎県立口加高校で音楽講師と吹奏楽部の顧問を務め、夢をつなぐ生徒の育成に情熱を注いできました。
 
 そしてこの春、吹奏楽部の創設を検討している佐世保市の私立「九州文化学園高校」に音楽教諭として採用され、新たな道を踏み出しました。近い将来、吹奏楽部を立ち上げる希望を胸に日々練習を続けています。
 
 九州文化学園高校1年・田代紗弓さん(15):「九文が吹奏楽ないと思ってたのにできるってなってとってもうれしかったです」。
 吉永遥さん(15):「初心者なんですけど頑張りたいと思ってます」。
 柴田鈴乃さん(15)「まずは地域の方々との交流を深めて少しずつ演奏会などを増やしていきたいと思っています」
 井 優月さん(15):Q、九文で吹奏楽ができるようになって?「今までにないくらいめっちゃうれしいです。東翔の先輩方のように温かい音を目指して頑張りたいです」。
多郎浦 愛蘭さん(15):「自分の出身中学校以外の人と仲良くできているのでうれしいです」。

前川希帆さんは「新型コロナウイルスの影響できつい思いをしている生徒たちとか、大人であったりとか、たくさんいると思うんですけど、やっぱり『諦めないでやり続ける』っていう気持ちを大切に、これからも頑張っていきたいなと思っています。3年間慣れ親しんだ自分の『第二の古里』とも言っていい南島原市を走らせていただくことになっているので、今こういう状況(コロナ禍)ではあるんですけど、自分自身の現状とか、これからいい方向に向かっていけるようにっていう気持ちを込めて、精一杯走りたいなと思っています。最後まで頑張って走り抜きたいなと思います」と話しました。
 飲酒運転の事故に巻き込まれ、夢や希望を奪われながらも諦めず、前向きに、次々と襲いかかる壁を乗り越えてきた希帆さん。その道のりに寄り添い、勇気をくれた人たち、共に『不屈の音色』を奏で続けた吹奏学部の生徒らへの感謝やエールを込めて、7日(金)、長崎県内第1区間の南島原市をオリンピックのシンボル「聖火」を手に走ります。

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