美浜町が公共施設管理計画を策定 – 日高新報

基本問題

 美浜町は今年度から2035年度までの15年を計画期間として、公共施設の今後のあり方などをまとめた町公共施設個別施設計画を策定。スポーツや保健、福祉など60施設それぞれに、「維持管理」や「建て替え等」など5つの方針を設定し、和田の柔剣道場など8施設は取り壊すことを決めた。

 16年度に定めた町公共施設等総合管理計画策定時、町内すべての公共施設で大規模改修や建て替えを行った場合、その費用は40年間で総額164億6000万円に上ると推計。現状のまま施設機能や規模を維持し続けることは困難とし、効率的な施設の維持管理を推進するため、公共施設個別施設計画が策定された。

 今年度から15年間の計画を第1期から第5期まで3年ごとに区切り推進。学校教育系施設、町営住宅は別の計画が定められているため、それ以外の59施設84棟、総延床面積約1万8000平方㍍を対象に、現地確認、ヒアリング調査などを行い、施設ごとの方針を決めた。

 方針は5種類あり、適切な日常点検、計画的な修繕等で継続して使用する「維持管理」は松原地区公民館など47施設。利用者が比較的多く、老朽化による建て替え、複合化、長寿命化などを検討する「建て替え等」に体育センター、中央公民館、図書館、斎場の4施設。用途の変更や民間活用等を検討する「利活用等」に新浜さざなみ荘1施設。売却や譲渡を検討する「譲渡等」は対象施設なし。利用頻度が低く、他施設での代替が可能、放置すると老朽化で倒壊の危険があり、除却、解体を検討する「除却等」には8施設が決まった。

 除却等のうち、第1期(21~23年度)に取り壊しを予定しているのは、田井畑集会場、柔剣道場(和田)、老人憩いの家光荘(和田)の3施設。柔剣道場は木造の延床面積316・20平方㍍。1976年2月に、町民の健全な心身の育成、親睦を深めることを目的に建てられた。少年剣道、柔道クラブ等が利用していたが、耐震の問題等から99年2月にできた松洋中学校武道場を利用するようになり、現在は倉庫として使われている。白アリ等の被害や著しい老朽化で地域住民から心配する声も出ていため、取り壊すこととなった。今年度当初予算に解体費用1153万9000円を計上。除却後の土地は売却等も含め今後検討される。

 町は、計画を効率的に進めるため、PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを導入し、公共施設マネジメントを実践していくとしている。19日には、同計画を議会にも報告した。

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