共通テスト新科目「情報」の出題内容 IPアドレスにプログラミング……重要度増すデータサイエンス – ITmedia

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 2025年の大学入学共通テストで、新設科目として「情報」が追加されることになった。高校の新学習指導要領でプログラミングを学ぶ「情報I」が必修となることに合わせたものだが、公開されたサンプル問題を、ITの専門家や大学側はどう受け止めるのか。


「情報」のサンプル問題(大学入試センターのWebサイトから)

 ほかにも科目の再編や新設によって「歴史総合」「地理総合」や「公共」が誕生する。文部科学省が最終決定すると、今月中学3年に進級した世代が最初に受験することになる。

 大学入試センターは、新設・再編された4科目についてサンプル問題を公表した。

 「情報」の問題例は、IPアドレスに関する問題や、選挙で政党に配分される議席数決定の方法をプログラムを通して考察する問題、サッカーワールドカップ(W杯)のパス本数や反則数の統計処理データを扱う問題などがあり、マークシート式で回答する。

 ITジャーナリストの三上洋氏は、「プログラミングやデータ分析を問う問題では、特定のプログラミング言語を対象としない一方で、実践的な学習から本質的な考え方を理解しないと対策できない印象だ。バランスの取れた出題だが、従来のマークシート式にとらわれない回答を検討してほしい側面もある」と分析した。

 データサイエンスを重要視する大学は増えている。筑波大や富山大では、新入生の必修科目として導入済みで、早稲田大でも21年度から全学部・研究科の学生を対象に入門レベルから上級レベルまで4段階に分けたデータサイエンスの認定制度を創設した。

 25年以降の大学入試では、情報科目の重要度が増すのか。受験関連の分析に定評のある「大学通信」の安田賢治ゼネラルマネジャーは、「現状では、文系でも数学などと同様に選択科目に入る可能性が高い。大学教育においてデータサイエンスの重要度は増す一方、入学後に学生を鍛えればいいという考えが強い印象だ」と分析する。

 高校側にも課題がある。前出の三上氏は「高校が学習環境を整えられるかによって生徒の得点も大きく左右されるのではないか。情報教育では教員の人材が不足が懸念され、学習環境の格差が大きい。この格差の是正が課題になりそうだ」と指摘した。

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