小学校高学年における教科担任制については、中教審が2022年度をめどに本格導入が必要と答申。これを踏まえ、文部科学省の検討会議が2021年7月、「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について(報告)」を公表。各地域・学校の実情に応じた取組みが可能となるような定数措置により、専科指導の充実を図ることを中心に考えるべきとし、優先的に専科指導の対象とする教科に「外国語」「理科」「算数」「体育」をあげている。
文部科学省の末松信介大臣は2021年12月22日、2022年度予算について財務省の鈴木俊一大臣と折衝を行い、教科担任制の取組みのために950人増員することで了承を得たことを明らかにした。中学校の生徒指導体制の強化、学校の働き方改革等を含めると、1,030人の増員となる。教科担任制は4年かけて推進したい考えで、4年間の改善総数は3,800人程度を見込んでいる。
12月22日に会見した文部科学省の末松大臣は、「専門性の高い教科指導を通じて、教育のさらなる質の向上を図るとともに、学校における働き方改革を実現するため、小学校における教科担任制を推進していくことが重要」と教科担任制の意義を強調。「子供は国の宝であり、教育は国の礎である。厳しい財政事情の中ではあるが、わが国の未来を担う子供たちへ大胆に投資をすることは極めて重要。子供たちひとりひとりの可能性を最大限伸ばす教育を実現していくため、教育予算の確保を含め引き続き、全力で取り組んでまいりたい」と述べた。
2022年度の概算要求では、文部科学省は小学校高学年における教科担任制の推進について2,000人、4年間で8,800人の定数改善を要求していた。今回、財務省との折衝の中で、小規模校における中学校教員の活用、中規模・大規模校の小学校内における授業交換等の工夫により、950人増で折り合った。
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