今週末に高校の入学試験が行われる、さいたま市の高校では、新型コロナウイルスの「感染・濃厚接触者の疑い」についての問い合わせが増えているといいます。また都内の区役所では保健所に職員を派遣するため、窓口サービスなどに影響が出る場合も…。
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今週末に入学試験が行われるさいたま市の高校では、校舎の入り口付近にサーモカメラが置かれていました。
私立栄東高校 入試広報センター長
「このサーモカメラで、全員の受験生の方、検温をしていただきます」
教室の机にはパーティションを用意するなど、感染対策を徹底しているといいます。しかし、いま新たに対応に追われている問題が──
入試広報センター長
「『感染の疑い』や『濃厚接触者の疑い』ということで問い合わせが来るようになって…20件ぐらいではございますけれど。明日(土曜日)になると、もっとあるのかな…と心配しています」
1週間前には無かった、感染疑いや濃厚接触者などの問い合わせが、2~3日前から急増したといいます。この高校では、追試を受けてもらうということですが…
入試広報センター長
「いま心配しているのは、果たして1回の追試験で対応できるのかと」
再追試の設定も想定しながら、計画を始めているということです。また、面接の中止も数日前に決定しました。
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10代の若い世代にも広がる感染。取材に応じた19歳の男性は、バイト先で感染した可能性があるといいます。
感染した男性(19)
「ソーシャルディスタンスも保ってたし、マスクなしの接触もなかったので…ちゃんと予防できてたつもりではいました。まさか自分がなるとは思っていなかったので」
15日に発熱し、16日、陽性が確認されました。男性は17日に、自宅療養中に往診を受けていました。
感染した男性
「喉の痛みとか、ものすごくつらい。唾を飲むだけでも本当に痛い」
発症から2日経っても喉の痛みや微熱、けん怠感などが続いたといいます。しかし…
医師
「いま、保健所とは連絡とれてるんでしたっけ?」
感染した男性
「保健所の方からは、ほとんど連絡はまだっていう感じで。あと2~3日かかると」
21日夜、男性にその後の話を聞きました。
感染した男性(19)
「(保健所からは)おとといとかに、やっと連絡がきて、きのう(保健所からの)食料が家に届きましたね」
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感染拡大の影響は、私たちの日常生活にも出ていました。
東京・千代田区役所に貼られた区民へのお知らせには、「応援職員の派遣」の文字がありました。業務がひっ迫している保健所に応援の職員を派遣するため、人手が減る窓口のサービスなどに時間がかかる場合があるというのです。庁内では、担当者が各部を回って応援を依頼していました。
千代田区 行政管理担当部長
「保健所の状況が今、ひっ迫していまして、どうしても各部の応援をいただきたいというところで、お願いに参りました」
千代田区 政策経営部長
「庁内一丸となって対応してまいりたいと思いますので、一緒に頑張りましょう」
その保健所では、連日、対応に追われていました。職員が、症状のある人に電話で聞き取りを行っていました。
保健所職員
「火曜日の夜に39.3℃出た?」
今月14日と比べ、20日には速報値で、およそ4倍の感染者となっている千代田区。24日から応援職員8人の増員を決めました。
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保健所に代わり、今月から健康観察を始めたクリニックもあります。中野区の医師が電話していたのは、新型コロナ陽性になった50代の男性です。
みやびハート&ケアクリニック 渡邉雅貴院長
「いま、ご体調はいかがですか?」
男性の健康観察は3日目で、軽症だといいます。
みやびハート&ケアクリニック 渡邉雅貴院長
「いま、お熱はどれくらいですかね?」
50代男性
「けさ測ったときは36.8℃」
渡邉院長
「あ、36.8℃まで下がりましたか。よかったです」
医師や看護師5~6人で40人~50人の患者を担当していますが、すでに通常診療などへの大きな負担になっているといいます。
渡邉院長
「(健康観察の)対象の患者数が爆発的に増えていく…長期戦になったり、この後、いつ終わりが来るかわからない状況では、正直どこまで戦えばいいのか迷う、というのが正直な感想です」
より効率的な体制が急務だといいます。
(1月21日放送『news zero』より)
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