国内
2022.01.03
[ 編集部 ]
1月3日、東大阪の花園ラグビー場で全国高校大会準々決勝が行われ、國學院栃木が17-7で長崎北陽台を破った。同校初の4強入りをかなえた。國學院栃木は22大会連続27回目の出場。10年ぶり2度目のベスト8で壁を突破した。吉岡肇監督は創部以来就任34年目を迎え、1月5日に初の準決勝に臨む。
いつも熱い言葉に、ラグビーと選手たちへの愛情を乗せて語りかけ、吠えてきた吉岡肇監督のプロフィールなどを紹介する。
ラグビーとの出会い
「中学までは特にラグビーに興味がなかったのですが、中2の正月に、半ば強制的にラグビーを見せられた。久我山と大工大(現・常翔学園)の激しい試合でした。それまでは、チャラチャラしたのがかっこいいと思っていましたが、自分の中でかっこいいの定義が一瞬にして変わってしまった」
國學院久我山高校で全国準優勝
「生まれ変わってもまた久我山でラグビーがしたい。二度とできるか分からないことを成し遂げてきたんだから、それは誇りですね」。3年時は花園決勝で目黒(現・目黒学院)に14-16で敗れ連覇を逃した(第55回大会)。終了14秒前の逆転トライ&ゴールだった。「当時は14番を背負って負けちゃったけど、今度は監督として、納得いっていない花園に何度でもチャレンジできる。幸せだなぁと思います」
華麗なる同期
当時の久我山の監督は、今大会にも出場していた昌平(埼玉)の中村誠総監督。久我山同期の主将は平地敏行氏。土屋謙太郎氏は現・國學院久我山監督、田村誠氏は元トヨタ自動車&豊田自動織機監督(日本代表・田村優選手の父)、荻窪宏樹氏は元クボタ監督、現日本協会。土屋監督曰く「自分たちは、あの時に負けたからこそ、その後も頑張れたのかもしれません」。
リコーから日体大へ
家庭の事情からいったんはリコーに就職。2年遅れで日体大に。
「とにかくラグビーに打ち込みました。でも、その後のことを何も考えてなかったんです。教員志望でもない。この小さな体では社会人でも通用しない」
指導の世界へ
「日体大の石井喜八先生の紹介で東京工業大学の助手の職に就きました。工学部保健体育学群技術補佐員。トレーニングセンターのお兄ちゃんです。トレセンに足繁く通ってきている学生がいて、それがラグビー部員だった。指導してくれと熱望されて、いつの間にか毎日グラウンドへ出て指導するようになりました。優秀な学生が、私をラグビーのスペシャリストととして尊敬してくれるんです。自分から出せるものはすべて提供したい、と思いました」
國學院栃木は愛好会からスタート
「前の年の9月から愛好会はスタートしていて、部員は10人ほど。やめていく生徒もいました。部員がゼロになっても仕方ない、という覚悟だった。創部4年目の代には選手がそろって、当時県内王者の作新学院に花園予選まで3回とも勝っていた。花園予選決勝、前半10分で2トライを奪った。そこに魔物がいた。ほんの些細なミスで取られて、逆転。私も動揺してしまって、何て指示したのか覚えていない。『まさかそんな、こんなはずじゃない、うそだろ』って。気づいたら相手のキャプテンが拳を上げて歓喜していた。選手も私も、学校も父母会も、とにかく経験がなかった。並大抵の努力では花園には出られません」
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