「二月の勝者」埼玉西のモデルとなった栄東
俳優の柳楽優弥が主演する日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」の最終回が放送されて1週間余がたった。激変する受験界に舞い降りた最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人が中堅進学塾・桜花ゼミナールの校長として小学生の中学受験合格を導く痛快ドラマは完結したが、現実の中学受験はいよいよ本番が迫っており塾講師、生徒ともに緊張が高まっている。最終回で紹介された前受け校の中でも超人気校として知られているのが栄東中学(さいたま市見沼区)だ。
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(※以下、ドラマとコミックの内容に関する記述があります)
桜花ゼミナールでは中学受験の合格者が続々と報告され、吉祥寺校は史上最多の合格者数を更新。埼玉県内の難関校である私立埼玉西中学校には上杉海斗、田中利休、藤原昴、村上一真、毛利光の5人が合格。新年度入塾希望者に向けたチラシにも「埼玉西5名」と合格者数を記し成果を誇らしげにアピールした。
この埼玉西のモデルとなっているのが、実在する男女共学の栄東(さかえひがし)だ。21年度の募集要項を見ると試験は1月に実施。試験日はコロナ対策により1月10日・11日のどちらかを選択(募集人数計140人)、12日(同30人)、16日(同40人)、18日(同30人)となっており、12日実施の「東大特待クラス」の試験では6年間特待生、3年間特待生、1年間特待生を募集している。このクラスの試験教科は国語(150点)、算数(150点)、社会(75点)、理科(75点)からなる東大特待I(4教科型)と算数①(150点)、算数②(150点)からなる東大特待I(算数1教科型)に分かれており、算数に特に秀でた生徒の入学につなげたいという学校側の思惑がにじみ出ているが、実際の合格者数はごくわずかにとどまっている。
栄東高の東大合格者数(21年)は12人。開成144人、麻布86人、聖光79人、桜蔭71人、渋谷教育学園幕張67人と比べると差は大きいが、東大特待奨学金制度の充実で今後の伸びが期待されている。驚くのは栄東中の出願者数が8年連続で1万人を超え全国最多となっていること。2月に行われる難関校受験の前受け校の代表格として絶大な人気を集めているのだ。
「二月の勝者」単行本14巻では黒木が新米講師の佐倉麻衣(ドラマでは井上真央)に前受け受験をさせる理由を問う場面が登場する。佐倉の回答は「本番慣れ」「立ち位置の確認(模試代わり)」「合格して自信をつけさせる」の3つだった。中学受験本番の先陣を切る時期に入試を行う栄東はお試し受験にはかっこうの存在だ。
「栄東は合格発表の際、入学試験の得点を開示しています。合否のほか各科目の全受験生平均点、受験生の得点、順位、東大クラスと難関大クラスの基準点、つまり合格最低点がデータとして提供されます。大手進学塾の模擬試験は年内で終わってしまうため1月に行われる栄東の結果は他の難関中学を受験する際の大きな目安となるのです。しかも、最終の入学手続きの締め切りは御三家をはじめとする超難関校、準難関校の結果が出そろう2月7日まで待ってくれます」(元塾講師で大学講師)
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