幼稚園・小学校「お受験」のメリットとデメリット 意外にシビアな内部進学率、そして金銭問題(田中幾太郎)(日刊ゲンダイDIGITAL) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

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 有名幼稚園・小学校の入試日は11月上旬に集中。すでに今年の日程は終わったが、早くも2023年度入学を目指す「お受験」戦線がスタートしている。幼い時から他人と競争する必要があるのか、賛否両論あるところ。そのメリット、デメリットについて考えてみたい。

生徒の6割が東大合格する筑波大附属駒場の「自分の頭で考えさせる教育」

 お受験のメリットのひとつに大学まで内部進学できる可能性が高いことがあるが、内部進学率によっては、「せっかく名門小学校に入ったのに」とがっかりするケースも出てくる。それがもっとも多いのは国立校。2000年代初めに、筑波大付属小学校に合格し、高校まで在学したOBは次のように話す。

「小学校から中学に内部進学できるのが約8割、さらに中学から高校に内部進学できるのが約8割。単純計算すると、小学校入学組の6割台半ばが高校まで進めるはずですが、僕の同級生では5割程度しかいなかった」

 なお、国立の場合、大学付属といっても、その大学に内部進学できる制度はない。例外はお茶の水女子大付属の女子の場合だが、高校から大学へ内部進学が認められるのは120人中10人程度である。

■慶応幼稚舎は初年度150万5000円

 お受験の最大のデメリットはやはり、金銭の問題だろう。国立はともかく、私立はかなり高い。名門と呼ばれる学校ほど、高額に設定されている。

 小学校から入学する場合の初年度納付金(給食費等は別途)は青山学院137万6000円、学習院133万6000円、成城129万円。この3校がとりわけ高いわけではなく、有名私立の多くは、これに近い額に設定されている。私立でもっとも人気の慶応幼稚舎は150万5000円である。

「ただ、幼稚園や小学校から私立に入るのがべらぼうに高いかといえば、そうとも決めつけられない。中高一貫校を目指すには学習塾が必要だし、公立中学、そして公立高校から大学というパターンも2回の受験が必要で、やはり学習塾や予備校に通うことになる。しかも、浪人すれば、それだけ費用がかさむし、就職が1年遅れれば、生涯賃金がその分、減ることになるわけです。いろいろなケースがあるので一概には言えませんが、もし希望する大学のひとつであれば、その付属の幼稚園や小学校を目指すのも一理あると思います」

 こう説明する幼児教室運営者は「本当のデメリットは費用とは別にある」と話す。

「この時期に本人の気持ちが反映されるとは考えにくい。ほとんどは親の意思です。人生を左右しかねない重大な岐路でありながら、親の決めたコースを無自覚に歩んでいっていいものか。途中で本人が違和感を持ち始めて、学校に行きたくなくなるケースだって少なくありません。その点、中学受験くらいになってくると、子どもたちも置かれている状況がわかってくる。親の言うことにただ従うだけでなく、自身の主張も出てくる。受験するにしても、この時期まで待ってもいいのではという気もします」

 何が我が子にとって本当にプラスなのか。お受験を迎える前にいま一度、考えてみるべきだろう。

(取材・文=田中幾太郎/ジャーナリスト)

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