社会 | 神奈川新聞
| 2021年10月27日(水) 23:20
横浜市鶴見区の市立中学校で2017年5月、当時2年生だった男子生徒(18)が授業中に跳び箱から落ちて下半身不随などの大けがを負った事故で、指導教諭に注意義務違反があったとして、男子生徒と両親が市に約8200万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、横浜地裁(山田真紀裁判長)であった。市側は事故の予見可能性を否定し、争う姿勢を示した。
訴状によると、男子生徒は保健体育の授業で5段の跳び箱を開脚跳びで跳ぼうとして体勢を崩し、頭からマットに落下。頸椎(けいつい)を損傷して下半身不随となり、胸から下も自由に動かせず、車いす生活となった。
原告側は「(男子生徒は)器械運動が得意でなく、両腕で体重を支えることが難しかった。開脚跳びでは跳び箱上に座ってしまうことを指導教諭が認識していた。それにもかかわらず、教諭は個別的、段階的な指導を行わず、注意義務違反は明白」と指摘した。
また、体育授業中に発生した跳び箱事故のデータを証拠として提出。こうした状況を踏まえ、教諭には事故を予見する可能性があったにもかかわらず適切な対応を怠った、と主張した。
市側は答弁書で、教諭の予見可能性や過失を否定し、請求棄却を求めた。
横浜市立中の跳び箱事故訴訟 市は予見可能性否定、争う姿勢
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