「学校招集日」は正装で 学校と保護者による顔合わせの儀式
数年前の2月中旬、私たち夫婦は息子が志望校に合格した喜びに胸を膨らませながら入学説明会に向かいました。
学校までの道中、頭をよぎるのは受験当日のこと。息子は夜が明け切らない午前6時前に自宅を出発しました。まだ薄暗い空を見上げて「いよいよ出陣だ!」と自分に喝を入れた息子。その引き締まった表情は、生まれて初めて見せるとても凛々しいものでした。
試験会場に着くと、塾の先生方や在校生たちが受験生を出迎えてくれました。
「おはようございます。頑張ってください!」
4月から先輩になるかもしれない在校生たち。その元気な声援を聞いて、「来年は息子が受験生を激励する立場になっていますように」と、私は強く合格を願いました。
そんなことを思い出しながら学校の講堂に到着。私たちは辺りを見回しました。この日のために私たちが選んだのは、よそ行きのスーツ。どうやら他のご家族も同様のようです。「中学高校の6年間、息子を通わせていただきます」と親の意思を学校に伝えるとても大切な日だからか、カジュアルな洋服の方はいませんでした。
一方で、息子を含めた子どもたちは、トレーナーにジーパンなどの普段着姿が多数。首都圏の200を超える小学校から合格した子どもたちは、4月から同級生になるとはいえ、この日はお互いにとても緊張している様子でした。
ちなみに、入学説明会は学校にとっても経営面で重要な意味を持つそう。出席人数が学校側の予想より少なく、入学者数が定員割れを起こしそうであれば、繰り上げ合格者に急遽連絡して人数を確保する中学校もあるといいます。
入学説明会の開始時刻になると、子どもたちは先生の引率で教室に移動しました。その場に残された親の前には校長先生が。そして、マイクを握った校長先生の第一声に私たち夫婦は度肝を抜かれました。
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