プレッシャーをかけすぎてしまう
小学校受験本番の日が近づくと、多くの親御さんが焦りを感じます。合格させるために「子どもを完璧に仕上げなければ」と思ってしまいます。5、6歳の子どもに完璧などありえないのですが、成績が伸び悩むと、どうしてもみなさん「できないことをできるようにしなければ」と思いつめてしまいます。
それまでは「できないこともあって当たり前。少しずつ成長できればいい」と考えていたのに、受験直前になると「合格」2文字に囚われてしまい、完璧にしなければ気が済まなくなるのです。
しかし、子どもにプレッシャーをかけすぎるのは禁物です。「辛くとも今がんばらせたほうがこの子のため」「遠回りさせないためにも完璧を目指さなきゃ」という親心もよくわかりますが、がんばるあまり親子で息苦しくなってしまったら、完璧どころかますます伸び悩むことにもなりかねません。
こういうとき、意外とうまくいくのが「現状維持」を目標にすることです。「できていないことも当然あるよね」「そこはもう仕方ないね」と肩の力を抜く。諦めて手を抜いていいということではなく、完璧を求めすぎず、「一つでも二つでも、できないことが潰せたらすごいよね」くらいの感覚で現状と向き合う、ということです。そのほうが子どもを追い込まずに済み、結果的に受験がうまくいく気がします。
小学校受験は中学、高校、大学受験と違い、ペーパーなどの試験結果だけでなく、面接や行動観察(集団における子どもの行動を見る試験)や体操など多面的な評価で「学校に合うか合わないか」ということも判断されます。行動観察で同じグループになった子どもたちの影響も受けますし、面接などを担当した先生によって評価が変わることも考えられます。
そういうことも含めた受験であることを踏まえ、「何が何でも合格する」ではなく、「目標に向けて地道に一歩一歩努力する」という学習の原点を、本番のその日まで忘れないでいただきたいと思います。
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