オンラインでの授業参加も「出席」扱いに 認める自治体増加 – 毎日新聞 – 毎日新聞

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兵庫県川西市立川西南中でオンライン授業の準備をする教師。教壇上のタブレットで撮影された教師の姿とスクリーン中の教材が配信される=井上元宏撮影
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兵庫県川西市立川西南中でオンライン授業の準備をする教師。教壇上のタブレットで撮影された教師の姿とスクリーン中の教材が配信される=井上元宏撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けたオンライン授業に参加しても出席ではなく、「出席停止」になる。登校、対面を重視した文部科学省の方針だ。一方で、不登校の子どもへのオンライン授業の参加を出席扱いとした過去の国の通知もあり、親の不安払拭(ふっしょく)のためコロナ禍のオンライン授業の参加を出席として認める自治体が増えている。【井上元宏】 

文科省通知は「出席停止」

 新型コロナに感染したか、濃厚接触者と判定された児童・生徒について文科省は「出席停止」とし、学級・学年閉鎖と同様、欠席日数に算入しないように通知した。感染急増地域では、基礎疾患のある同居家族への感染不安など合理的理由で登校しない場合も出席停止扱いだ。

 オンライン授業は、「特例の授業」として小中学校の指導記録に記載するが、参加しても出席扱いにならない。文科省の担当者は「教室での教師や生徒同士の触れ合いなどで得られる効果は重要だ」と対面との違いを説明する。

 文科省は出席停止で受験などに不利益が生じないよう、都道府県教委に通知。兵庫県教委は県立高校入試の内申書に出席停止日数を記載しない措置を取っており、担当者は「出席停止は内申点や成績に影響しない」としている。

宣言中は「出席」とした自治体も

 県内では神戸、西宮、尼崎市などが文科省の通知に従う中、川西市は9月30日までの緊急事態宣言中に限り、オンライン授業の参加を出席とした。「子どもを通学させたいが、できない」との保護者の声が多く、2学期から対面授業とオンライン授業を併用。越田謙治郎市長は「オンライン授業を選ぶのは少数で、親の不安を払拭したかった」と話す。

 市は2020年度、経済産業省の実証事業で不登校の児童生徒へのオンライン授業を導入、参加した13人を出席扱いにした。対面指導などの条件を満たせば出席と認める文科省の通知を根拠とした。市教委は「同じオンライン授業で、扱いが分かれるのは保護者の理解が得られない」とする。

 文科省はこの通知について、「あくまで不登校からの学校復帰を目指した措置」としている。だが、川西市と同様にオンライン授業の参加を出席扱いにしている大阪府寝屋川市教委は「感染不安が理由でも、登校したいのにできないのだから不登校と事情は同じだ」と説明する。福岡市や北九州市もオンライン授業の参加を出席として扱っている。

対面授業の重要性「感じた」

 毎日新聞が県内41市町の教育委員会に20年春の一斉休校で対面授業の重要性を感じたか尋ねたところ、38市町が「感じた」と回答。子どもへの影響について「周囲から刺激を受ける」「困った表情など小さなサインが見えやすい」などの理由が挙がった。

 川西市は緊急事態宣言の期間中、中学校で朝の学活から全授業、小学校は算数や国語などからオンライン授業を配信。授業の質を対面に近づけようと、全小中学校の情報担当教員が取り組み事例や課題の共有を進めた。10月1日からは対面、オンライン授業の併用を取りやめたが、濃厚接触者と認定されて登校できなくなった場合などは、オンラインでの学習支援を続けるという。

感染症での出席停止

 学校保健安全法により感染症にかかっているか、その可能性がある場合に校長が命じることができる。忌引と同様に出席すべき日数からは除外され、欠席にはならない。文科省は、高校入試の内申書で出席停止日数の記載によって不利益を被ることがないよう都道府県教委に通知した。

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