千葉工業大は学生全員にiPad貸与していた
トップは千葉工業大。昨年6月から対面授業を再開し、検温、消毒を教職員総動員で実施したという。対面授業再開は早い方で、特に理系学部では実験、実習があるため早期の再開を目指す大学も多かった。千葉工業大では、学生全員にiPadを持たせていたので、オンライン授業は問題なく実施できた。
ただ、地方からの学生などが部屋から出られず、食事への不安があったため、学生には無料で学生食堂の食券を配り、朝から晩まで営業し、学生の食の安定化を行ったという。さらに、コロナ不況の到来を見越し、今年の入試では共通テスト利用入試の受験料を無料にした。
千葉工業大のように、コロナ禍での入試対応への評価は高い。受験に行くことはコロナ感染リスクを高めることになるからだ。
大手大学の中では、早くからコロナ対策を実施した立教大が2位だった。今年から全学部で試験日自由選択制の入試を実施した。英語の試験を外部英語試験か共通テストの成績にし、大学独自の英語の試験は文学部の1方式のみとなった。コロナとは関係なく入試改革として実施されたが、結果として試験時間が短くなり、試験日を増やすことで受験生の集中を防いだことが評価された。
■5位横浜国立大、16位宇都宮大は独自の二次試験廃止
5位となった横浜国立大、16位の宇都宮大は、いずれも大学独自の二次試験を廃止し、共通テストのみで合否判定する入試を実施した。
コロナ感染へのリスク軽減のためだ。ただ、国公立大のこういった入試変更は、高校の教員には高評価だったが、受験生に受け入れられず、志願者減の大学が目立った。特に横浜国立大は前年に比べて5割近く志願者が減った。
共通テストの成績で合否を決めることは、共通テスト終了時に合否がわかってしまうことに他ならない、大学独自の二次試験での逆転はないため、共通テストの出来が悪いと、すぐに志望校をあきらめた受験生が多かった。
大学の受験生のことを思う気持ちはわかるが、入試方式の大幅な変更は志願者の増減に直結する。慎重な対応が求められるといえそうだ。
(安田賢治/大学通信常務取締役、情報調査・編集部ゼネラルマネージャー)
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