東京都立高校の全日制普通科では、男女の生徒数がほぼ同数になるような男女別定員制をとっています。
都によると、今年の入試では、全都立高186校のうち全日制普通科の都立高110校で男女別定員による選抜を実施。
結果として、多くの学校で男子生徒より女子生徒の方が合格ラインが高くなり、女子に不利な状況が生まれています。
都は21日、一般財団法人「東京私立中学高等学校協会」と協議し、男女別定員制を廃止していく方向で合意しました。
東京都教育委員会は「学校の進路指導に与える影響が大きいこと」「公私間の男女別受入れ生徒数の変化を考慮」する必要があるとして、段階的・計画的に見直していく考えを示しています。
都内にある私立校121校のうち、女子校は80校で、男子校は32校のみ。
男女別定員制を廃止した場合、都立高校を選ぶ女子生徒が増え、私立女子校に進学する生徒は減ることが予想されています。一方で私立男子校は少ないため、行き場を失う男子が出ることを危惧する声もありました。
このため都は東京私立中学高等学校協会とも協議し、今回の段階的な見直しを決めました。
男女合同定員の入試を実施する時期については、来年の入試の結果を分析し、協議していくということです。
「男女枠緩和実施校」の規模や緩和率の拡大から、段階的に
都立高校はまず、「男女枠緩和実施校」の規模や緩和率の拡大に取り組みます。
「男女枠緩和実施校」とは、都立高のうち、男女での合格点に著しい格差が出ないように緩和措置をとっている約40校を指します。
これらの緩和実施校では、受験者の9割を男女別の成績順で選んだ後、残りの1割を男女合同の成績順で合否判定しています。
都はその実施校数増や緩和率を拡大し「その結果を踏まえて、男女合同による入学者選抜への見直しを進めていく」としています。
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