1.受験生も不安な2学期スタート
出席停止、念のため欠席や臨時休校は受験にさしつかえないのか?
臨時休校は受験への影響はない
保護者・受験生は不安なら志望校に直接確認を
2学期も開始し、学級閉鎖や臨時休校などのニュースも時折とびこんできます。
とくに受験生やその保護者のみなさんは、感染や濃厚接触による出席停止、デルタ株予防のための念のため欠席、臨時休校が受験にさしつかえないのか、不安な方も多いと思います。
この記事では高校、大学を中心に、感染や出席停止、欠席への対応をまとめていきます。
先に申し上げておくと、感染症による臨時休校(臨時休業)は受験には影響ありません。
学校・学年・学級の全員の出席日数が減るだけになりますので、欠席日数としてはカウントされないのです。
しかし、保護者や受験生は、不安なら志望校に直接確認をする、これが原則です。
2.高校受験はどうなる?
コロナ等感染症での出席停止は合否判定に影響しないケースが一般的
念のため欠席を出席停止にしない私立中学校の大問題
各教育委員会・高校はHP・SNSでもわかりやすい発信を
高校受験については、冒頭画像に示した大阪府のように、コロナ等感染症での出席停止は合否判定に影響しないケースが一般的です。
簡単にいうと、以下のようなルールになっています。
・コロナやインフルエンザ等の感染症や濃厚接触の場合、欠席ではなく出席停止になる。
・感染症不安による「念のため欠席」も、文部科学省の方針で、校長等の判断により出席停止扱いとできることが示されている。
・国公私立高校ともに出席停止は、受験上の合否判定に影響しないルールが原則
ところで、高校受験において、問題は3点あります。
1点目の課題。
デルタ株感染症予防のための、念のため欠席を、出席停止扱いにしない一部の頑迷な私立中学校があるのではないか、という問題です。
私は個人的に、若い世代のデルタ株収束の足を引っ張るのは対面指導にこだわり科学的思考をしない、適切な判断のできない中学校高校(主に私立学校)であると考えています。
公立学校は、学校を設置する教育委員会と文科省の方針に従わざるをえないので、念のため欠席はすでに認められています(万が一認められない場合には校長が間違っているので、教育委員会に相談しましょう)。
国立学校は、所管する大学法人に感染症対策の専門家がいたり、校長が研究者である場合が多く、科学的合理的判断ができるはずです。
2点目の問題。
高校入試における感染症による出席停止の取り扱いは、公立高校入試を所管する教育委員会も、それぞれの私立高校もとてもわかりにくいのです。
私も東京都立高校の入試要項を調べようとしましたが、必要な情報にたどりつけていません。
冒頭の画像に引用したのは、大阪府箕面市のホームページです。
箕面市に市立高校はなく、市民(受験生やその親)からの問い合わせが多いために、市役所がわざわざ高校受験の情報を自治体に掲載せざるをえない状況なのです。
デジタル化社会にあって、多くの教育委員会・私立高校は、受験生や保護者の不安にこたえられないあまりにもお粗末な情報発信しかできていないのではないでしょうか?
私が、受験生を多く集めたい学校の経営者なら、デルタ株感染・濃厚接触や念のため欠席によって、受験には不利にはならないことをHPに掲載したり、SNSで積極的に発信すると思うのですが。
3点目
念のため欠席や、出席停止、臨時休校により内申点に不利になるのではという問題。
たとえば大阪府のように自治体テストを公立高校入試の内申点に反映させる場合、欠席者や休校した学校への対応をどうするのかという課題が生じます。
9月2日に府のチャレンジテスト(学力調査)を実施した大阪府では、16日までの間に欠席者も同一問題で受験し、内申点を保障する方式を採用しています。
試験としての公平性の疑問を示すことも可能ですが、受験生に寄り添った対応であることは確かです。
他の自治体・学校でも定期テストの欠席や自治体学力調査の欠席等により、内申点が不利にならないような方式やルールを早急に整備し、校長・保護者や生徒に発信していく必要があります。
生徒が進路選択で不利益を受けないよう、深刻な事例が相次げば文部科学省としての通知・指針整備も必要になる課題です。
3.大学受験はどうなる?
個別試験には影響ない場合が大半
推薦・総合選抜(AO入試)については各大学に問い合わせを
文科省の大学入試情報提供サイトもお役立ち
いっぽうで大学入試については、かなりの情報公開がされています。
まず個別試験については、感染・濃厚接触による出席停止や、念のため欠席を含め、合否判定に影響しない大学が大半であると思われます。
心配な場合には各大学の入試課に問い合わせましょう、受験生やその保護者からの不安に対しては親切に対応いただけるはずです。
推薦・総合選抜(AO入試)については、すでに出願の時期を迎えており、感染状況が比較的落ち着いていた高校3年生の1学期までの欠席日数等が合否判定に利用にされる場合もあります。
とはいえ1学期までの感染・濃厚接触による出席停止は、合否判定には影響しないはずです。
念のため欠席についても、受験生の不安に寄り添う心ある学校では出席停止扱いとしているはずです。
そうでない心ない高校等(中学校の場合にも)の場合には、弁護士や法テラスに相談し、法曹専門家の関与のもとで、校長に進路がかかっているという切実な状況を理解いただけると、前向きな対応がいただける場合もあります。
なお文部科学省の大学入試情報提供サイトには、今年度に実施される個別試験(2022年度入試)において受験生が新型コロナウイルスに感染した場合の各大学の対応が開示されています。
高校でも、文部科学省をみならって各都道府県が県内高校の情報をまとめて公開すると、受験生も保護者も教職員もとても助かると思います。
取り組みの進展を期待します。
4.教職員や塾・予備校のみなさまへお願い
受験生を守るためにもオンライン授業、オンライン受験への対応を
「念のため欠席」はデルタ株収束のための合理的選択肢、文科省方針通り出席停止扱いを
最後に、教職員や塾・予備校のみなさまへお願いします。
受験生を守るためにもオンライン授業、オンライン受験への対応を可能な限りお願い申し上げます。
また「念のため欠席」は、教室の密度を下げ、医療崩壊から医療従事者を守る、デルタ株収束のための合理的選択肢です。
とくに私立高校は、学校への登校にこだわりすぎず、文科省方針通り出席停止扱いをしてください。
受験生を大人たちが守っていくことで、若者の挑戦を支えつつ、デルタ株収束を早めることができます。
※受験以外の2学期の学校教育については以下の記事もご参照ください。
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