男女同数で募集をしている共学の私立中学では、都立高と同様、往々にして女子の合格ラインが男子より高くなる。男女の合格者数をそろえるために、純粋な成績順ではなくなってしまうのだ。
男子に比べ女子の募集人数が大幅に少ない学校もあり、この場合も女子の倍率が高くなるケースが大半だ。
勝間さんは「『無意識の差別』という表現をしているんですけど。基本的に不公平だと思いますし、典型的な男女差別だと思います」と語る。
「誰もそのことを疑問に思わなかった」
勝間さんの母校である慶應義塾中等部の場合、今年の入試の募集人数、男子が約140人、女子は約50人。
四谷大塚の集計によると、男子は受験者891人、合格者158人で、女子は受験者395人、合格者62人。実質倍率は男子の5.6倍に対し、女子は6.4倍の「狭き門」となっている。
BuzzFeed Newsの取材に対し、慶應義塾広報は募集人数の差について「中等部を卒業した女子の進学先の定員が、男子と比べて少ない」ことを理由に挙げた。
勝間さんは言う。
「もともと中等部で男性と女性の人数が違うのは、男女で成長速度の進度が違うので、同じ人数にすると男子が女子に圧倒されてしまうから、と言われていました」
「当時から、中等部でも大学でも女子の方が優秀というのは定番でしたので、特に中等部においては、誰もそのことを疑問に思わなかったんです」
勝間さんは「私が通っていた当時は本当に女性が少なかった」と振り返りつつ、男女比について生徒の間では「全然話題にならなかった」とも話した。
「気付いてはいても、入ってしまった人は考えないのかもしれません。損をしているのは、入れる成績だったのに入れなかった女子受験生たち。私も受かっていなければ、問題視したのかもしれません」
女子の進学先となる高校の定員が少ない、という学校側の主張は、勝間さんには「完全に言い訳」と映る。
女子生徒にも公平な受験にするには、「同数クオータにするか、成績順にするかどちらか」と提案する。
クオータ制とは、男女平等な社会参画を実現するため、議員や閣僚、一般企業の役員などの一定数を女性とすることを義務づける制度のことだ。
共学の私立中学の大半は、ウェブサイトで男女別の合格最低点や倍率などを公表している。慶應中等部は、男女別の合格最低点を公開していない数少ない学校だと言える。
勝間さんは「(男女間で)相当な差があるのだと思います」と推測する。
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