レノボ・ジャパンは7月29日、学校用プログラミング教材「みんなでプログラミング」の有償版の提供を開始することを発表した。有償版は小学生に加えて中学生や高校生も対象としており、家庭(個人)ユーザーも契約可能だ。学校(教育委員会/学校法人)向けライセンスは9月27日から、家庭向けライセンスは11月下旬以降に発売される予定となっている。
有償版は「対象」と「教材」の両方を拡充
みんなでプログラミングは、レノボと東京書籍などが共同で開発したものだ。従来はNTTコミュニケーションズが提供する「まなびポケット」を利用している小学校を対象に無償コンテンツとして提供されてきた。
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今回、無償版の利用者から「もっと高機能なものが欲しい」という要望が寄せられたこともあり、プログラミング教育の学習環境のさらなる改善を図るべく、有償版の提供を行うことにしたという。
有償版の開発経緯。現行の無償版は既に100万IDで使われており、そのユーザーから「もっと高機能なものを使いたい」という要望があったいう
無償版では、小学生の「総合」「算数」「理科」に対応する基礎教材が用意されている。有償版では中学校の「技術・家庭科(技術分野)」や高等学校の「情報I」に対応する基礎教材も利用できる他、以下のような応用教材も利用できる。
- 先端/実践プログラミング(小学5年生〜中学生向け)
- クリエイティブ/コミュニケーション機能(小/中学生向け)
- 双方向性のあるコンテンツ/プログラミング(中学生向け)
- デジタルシチズンシップ(情報モラル)学習(小/中学生向け)
- データサイエンス(高校生向け)
- アルゴリズムの効率性(高校生向け)
- モデル化とシミュレーション(高校生向け)
有償版のスタート時点では、技術・家庭科における「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題解決」を学べるコンテンツと、情報Iにおける情報活用能力を育成するコンテンツが利用できる。その他の教材については、発売日以降に行われるアップデート(※)で実装される。
(※)2021年度は4回実施される予定
無償版では小学生向けの「ブロックプログラミング」教材のみ提供されている。有償版では、中学生や高校生向けの学習教材の他、応用教材も提供される
小/中学生向けの応用教材には「データ分析」「AI(人工知能)を使った音声・画像認識」「情報モラル」といったものが用意されている
高校生向け教材では、実際のプログラミング言語「Python(パイソン)」を使った実践的内容も盛り込まれている
高校生向け教材は「アルゴリズムの効率性」「モデル化とシミュレーション」も学べる
みんなのプログラミングはWebブラウザベースで稼働するため、レノボ以外のPCでも利用可能だ。アプリのインストールが不要であるため、どのようなOSでも学習を進められる。
ただし、学校向けのライセンスで利用する場合、マルチデバイスでの利用を許可するかどうかは学校のポリシー(方針)によって決まる。
中学生や高校生向けのコンテンツを追加することで小学校から高校まで一貫したプラットフォームで学べる。ただし、学習履歴の引き継ぎは「同一法人内で同一IDを引き継いで使える場合のみ」となる
コンテンツの種類も拡充することで、情報活用能力を高めるための学習をより進めやすくなる
有償版のライセンス料金
有償版は、学校向けの年単位ライセンスと、家庭ユーザー向けの単月ライセンスを用意している。年単位ライセンスはディストリビューター(販売代理店)経由で、単月ライセンスはECサイトから購入できるようになる予定だ。
1ID(ユーザー)当たりの標準価格(税込み)は以下の通り。なお、年単位ライセンスを契約している学校では教員用ライセンスは無償となる。
- 単月ライセンス(家庭向け):月額396円
- 1年ライセンス:2376円
- 3年ライセンス:7128円(1年当たり2376円)
- 5年ライセンス:1万1180円(1年当たり2236円)
無料プログラミング教室を開催
レノボでは、学校や図書館において「プログラミング無料教室」を開催する。小学生や中学生の受講を想定しているが、今後の指導の参考とするために、教員の参加または参観も可能だ。
学校では、2021年10月から2022年3月までに20校(教室)で実施する。教育委員会や学校法人を対象に8月31日まで参加を募り、抽選で実施校を決定する。応募に当たっては、外部インターネットに接続できる参加人数分(最大40人)のPCが必要となる。詳細は特設Webサイトで確認可能だ。
図書館では、2021年末の大和市立図書館(神奈川県大和市)を皮切りに、全国で順次開催する予定となっている。図書館での実施分は、図書館ごとに参加者の募集が行われるという。
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