2012年前期、千葉県公立高校入試「数学」第3問(白熱電球・LED電球比較)問題・解答・解説 – 朝倉みきはる(アサクラミキハル) | 選挙ドットコム – 自社

2012年前期、千葉県公立高校入試「数学」第3問(白熱電球・led電球比較)問題・解答・解説-–-朝倉みきはる(アサクラミキハル)-|-選挙ドットコム-–-自社 教育関連ニュース

2021年7月24日午前1時 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2012年2月の千葉県公立高校入試「数学」の第3問(白熱電球・LED電球比較問題、配点計16点)の問題・解答、そして私(朝倉幹晴)が作成した解説です。日常生活の電気料金を考え、環境問題を考えるヒントにもなる良問です。千葉県教育委員会が発表した各小問の正答率(無答率)も付記しました。ご活用ください。

2021年前期、第3問(白熱電球・LED電球比較問題)(配点計16点)

次の会話を読んで、あとの(1)、(2)の問いに答えなさい。

父「去年の夏は、使用電力が、電力会社の供給電力を上回る可能性があるということで、みんなが節電を意識したね。A市で、1,000世帯を無作為に抽出して、節電に関する実態調査を行ったところ、


新たに省エネタイプのエアコンを購入したのは、12世帯あったそうだよ。」


ますみ「そうするとA市は全部で30,000世帯なので、省エネタイプのエアコンを購入したのは、およそ世帯(2点、正答率62.9%(無答率3.5%))と推定(推測)できるね。」

父「節電といえば・・・。お父さんの会社で建物を増築した時に、よく使う照明には節電効果の高いLED電球を、それ以外の照明には白熱電球を取り付けたんだ。LED電球と白熱電球の購入代金


は合わせて122,000円で、消費電力の合計が1,600Wだったそうだよ。」


ますみ「資料1から考えて計算してみると、お父さんの会社ではLED電球を(2点、正答率48.1%(無答率21.5%))、白熱電球を(2点、正答率49.7%(無答率22.5%))取り付けたということになるね。ところで、LED電球と白熱電球では総費用(※1)にどれぐらい差があるのだろうか。

※1 総費用は、ある期間内にかかった電気料金と電球の購入代金の合計とする。

(1)に入る数をそれぞれ求めなさい。(各2点×3=計6点)

(2)ますみさんは、会話中の下線部について調べ、次のようにまとめました。に入る最も適当な数や文字式をそれぞれ書きなさい。(各2点×5=計10点)

ますみさんのまとめたこと

LED電球と白熱電球の総費用の比較

ある照明一箇所の1か月の使用時間を200時間として、資料1の2種類の電球を使用した場合(※2)について、次の資料2をもとに、使い始めてからの総費用を比較する。

※2電球は、寿命期間の途中で切れないものとし、その期間が過ぎたら交換することとする。

それぞれの電球1個は、LED電球で、か月間(2点、正答率53.6%(無答率13.1%))、白熱電球で5か月使用できることになる。

LED電球の場合 xか月間の総費用をy円とすると


0≦x≦で、y=x+3000 となる。

( (2点、正答率19.8%(無答率32.0%)))

白熱電球の場合 xか月間の総費用をy円とすると


0≦x≦5で、y=(2点、正答率13.2%(無答率44.5%))

5<x≦10でy=(2点、正答率8.4%(無答率54.1%))

・・・・・     となる。

白熱電球の場合、xとyの関係をグラフ(※3)に表すと、次のようになる。

※3 電機は、常に一定量を使用するもとのし、グラフは直線で表すこととした。

わかったこと

総費用を月ごとに比べると、LED電球の総費用は、か月(2点、正答率3.9%(無答率39.2%))までは白熱電球の総費用より高いが、次の月以降は、安くなることがわかる。


この後に解答・解説があります。考えてから見たい方はここで画面を止めてください。

【解答】(計16点)

360(2点、正答率62.9%(無答率3.5%))  40(2点、正答率48.1%(無答率21.5%))

20(2点、正答率49.7%(無答率22.5%))  200(2点、正答率53.6%(無答率13.1%))

46(2点、正答率19.8%(無答率32.0%))  276x+100(2点、正答率13.2%(無答率44.5%))

276x+200(2点、正答率8.4%(無答率54.1%)) 11(2点、正答率3.9%(無答率39.2%))

【解説】

 1000世帯への調査は「標本調査」であり、全世帯30000世帯でも同じ比率でエアコンを購入していると推定できるので、全市での購入世帯をx世帯とおくと、 1000:12=30000:x

    1000x=12×(かける)30000=360000 x=360

LED電球をx個、白熱電球をy個とおいて、購入金額と消費電力に関して連立方程式を作り、それを解く。

本文に「ある照明一箇所の1か月の使用時間を200時間」とあるので、寿命の時間数を200で割れば、寿命が何か月かがわかる。


LED電球は 40000÷200=200か月(答)

白熱電球は 1000÷200=5か月

LED電球での1か月の消費電気料金は 0.23円(1時間あたり)×200時間=46円


xか月後の総費用は y=46x(消費電気料金)答)+3000(購入費)

白熱電球での1か月の消費電気料金は 1.38円(1時間あたり)×200時間=276円。


xか月後の消費電気料金は、276xである。


ただ、電球は5か月ごとに1個、100円で買うことになるので


0≦x≦5は1本目で
 y=276x+100答)


5<x≦10では2本目を買ったことになるので、y=276x+200(答)




購入額は高いが耐久性があり、消費電力が少ないLED電球が、何か月使用継続時点から、白熱電球よりも安くなるかを考えさせるという日常生活に密着した問題である。数学が生活や地球環境を考えるを考えるのに役立つことを感じてほしい。


与えらえた白熱電球の総費用のグラフに、LED電球のグラフ(一次方程式y=46x+3000)を書き入れ、両者が交差し、白熱電球の額が上回るのが何か月であるかを求めればよい。式を書き込んでみると以下のようになる。





グラフからに10<x≦15に交点があることが推定できるので、白熱電球は3本目となり、


y=276x+300となる。


よって交点のxの値は


276x+300=46x+3000


276xー46x=3000ー300


230x=2700


23x=270




よって11か月までは(答)LED電球の総費用が(白熱電球の総費用より)高いが、12か月後以降から、白熱電球のほうが高くなる(LED電球のほうが安くなる)。

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