コロナ禍でターニングポイントを迎えた地方支部を活性化させるには? (1/2) – ASCII.jp

コロナ禍でターニングポイントを迎えた地方支部を活性化させるには?-(1/2)-–-ascii.jp 基本問題

各支部が抱える課題、生き残りのために積み上げてきた工夫がわかる!

2021年04月20日 07時00分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ

 3月20日に開催されたJAWS DAYS 2021には、地方支部の勉強会を取材してきた筆者としては興味津々のパネルディスカッションがあった。「JAWS-UG支部活動活性化のヒントを得る!」と題して、地方支部や学生支部で活躍する人たちが課題を持ち寄り、それぞれにどのような工夫をしているか実態を語るというものだ。

北は北海道、南は大分からパネリストが集結した

ようやくプラスの札幌から18度の大分まで、広い地域からパネリストが参加

JAWS-UG金沢 松田 康宏さん(以下、松田):モデレーターを務めるJAWS-UG金沢支部の松田です。今日はいくつかの地方支部と学生支部をお招きしています。せっかく各地から参加していただいているので、まずは支部の紹介とともに現地のお天気を教えてください。

JAWS-UG札幌 小倉 大さん(以下、小倉):札幌支部です。本日は曇り、気温は最近プラスになる日が多くなってきて、雪もとけてきました。札幌支部は2010年に設立、第0回を開催、年間2~3回の勉強会を開催してきました。JAWS FESTA 2019 SAPPOROも開催しました。昨年来のコロナ禍では、隔週でオンラインもくもく会を実施しています。

松田:金沢は雪がすっかりなくなってしまったので、雪景色がうらやましいですね。

JAWS-UG金沢 ふぁらお加藤さん(以下、加藤):金沢支部は、金沢中心に活動しています。「金沢中心」としているのは、金沢や石川県にとどまらず広く北陸にリーチしたいからです。1ヵ月ごとに飲み会、勉強会、勉強会、を繰り返しています。コロナ禍では、金沢支部もオンライン開催になっています。ローカルの会社の技術者同士のつながりはなかなかないので、そういう場にしたいと思ってやっています。

JAWS-UG大分 平野 文雄さん(以下、平野):大分支部は、基本的に初心者を対象に活動しています。エンジニアだけではなく、スタートアップ界隈で自分たちのビジネス立ち上げを目指している学生さんや、AWSに興味を持っている自治体職員さんも読んでいます。以前は、畳の部屋でゆるい集まりをやったりしていました。県外から人が来た時には、懇親会などでなるべくつながってもらうことを重視しています。コロナ禍では開催を見送っています。

松田:ちなみに大分の天気はどうですか?

平野:雨が止んで、いまは曇り、18度です。

加藤:大分、あったけーなー。金沢はやっと2桁に来たかなというくらいなのに。

JAWS-UG学生支部 外舘 有希さん(以下、外舘):この春から社会人として東京で就職するので、いまは東京にいて、雨が降りそうな曇りです。学生支部のコンセプトは「学生だけのコミュニティであるからこそ、学生間で質問や教えあいが気軽にできる場」です。函館、東京、名古屋、高知、福岡にメンバーが点在しています。2019年秋に設立して、通常時は地方のサブグループごとにオフライン勉強会を開催していました。コロナ禍では支部全体でオンライン勉強会を開催しています。

オンライン化で見直される、地方支部勉強会の存在意義

松田:ここからは「各支部が抱える悩み」を話し合いたいと思います。視聴者数はいま、500名を超えました。外舘さんが話し始めてから増えましたね。盛り上がっていくために、どんどん悩みをぶちまけてください。

小倉:札幌支部というか個人的な考えなんですが、オンライン勉強会を開催しても、札幌支部でやる意味をあまり見いだせないでいます。日本全国どこからでも参加できるので、地域性を出すのが難しいと感じますね。勉強会って勉強するだけじゃなくて、一緒に同じ学びをする仲間を見つける場でもあると思います。やっぱりオフラインでやりたいという想いがあります。

松田:オンラインになって地域支部で開催する意味合いが薄れてしまうのは、どこの支部でも悩んでいることだと思います。

勉強会のオンラインはコロナ渦で加速したが、地方開催の意義に悩んでいるとのこと

加藤:札幌支部って都会のうちに入る部類ですよね。緊急事態宣言が出される都市とそれ以外の地方とで違いがあるような気がします。オフラインで集まりやすい場所として、都会よりも地方都市の方が可能性を感じています。オンラインだけなら、都内でやってるカリスマが出てくるような勉強会にはかないませんし。

松田:オンラインだと、どんどん質を求めていってしまうという側面はありますね。

加藤:金沢支部としては、新しい人がなかなか入ってこない、JAWS-UGの認知度が高まらないというのが課題です。就職したら東京に行っちゃう、AWSを覚えると東京に行っちゃうという現実があって、学生や新人でAWSを勉強したいという人がなかなか入ってきません。会社でAWSを使うようになっても教えてくれる人がいない、でもJAWS-UGや勉強会があることを知らないから来てもらえない。知っているけど行かないというならまだしも、勉強会をやっていることすら知りません。

さらに、地方では「IT」と言ってもやっていることがそれぞれに違います。IoTについて話をしたい人とS3やCloudFrontについて話をしたい人が混ざるので、話題がばらけます。この辺りが地方支部あるあるではないでしょうか。

分野が細分化し、都会の専門的な勉強会に人が流れてしまうという課題も地方あるある

松田:分野が細かくなるとばらけちゃうってのは、ありますよね。

加藤:そうなると専門支部のオンライン勉強会に行ってしまって、地方のJAWS-UGに来ないんですよね。

平野:僕が無理矢理引っ張ってくるということもあるけど、大分支部はたくさんの人に参加してもらえています。でもその中で残って、コアメンバーになってくれる人が増えません。今年はひとり増えたので、時間をかけて取り組むしかないのかなと思っています。

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