「坊っちゃん」のモデル、知ってますか…旧制中学で教べん・漱石と同僚(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

「坊っちゃん」のモデル、知ってますか…旧制中学で教べん・漱石と同僚(読売新聞オンライン)-–-yahoo!ニュース-–-yahoo!ニュース 花のつくりとはたらき

読売新聞オンライン

 夏目漱石の教師時代の同僚で、漱石の代表作「坊っちゃん」の主人公のモデルともされる教師・弘中又一が、旧制熊谷中学校(現・熊谷高校)で教べんを執っていたことはあまり知られていない。埼玉県熊谷市は、著名な文学作品とゆかりがあることを広く知ってもらおうと、関連資料をデジタル化してネット上で公開するための準備を進めている。

 弘中は1873年、山口県で生まれた。同志社普通学校(現・同志社大)卒業後、95年に愛媛県の旧制松山中学校(現・愛媛県立松山東高校)に数学教師として赴任。その1か月前に英語教師として同校に赴任してきたのが漱石で、約1年間を同僚として過ごした。弘中はその後、徳島県の中学校を経て、旧制熊谷中に異動。1900年から19年まで教壇に立った。

 一人称小説の「坊っちゃん」には、語り手である主人公の名前は出てこない。ただ、主人公は、弘中と同じ数学教師であることや、弘中の教え子らがまとめた「熊谷高校八十周年誌」には、弘中が頭にかぶった山高帽にドジョウを入れて持ち帰るエピソードが記されるなど、作中で描かれた主人公の「無鉄砲さ」と重なる人柄もうかがえる。一方、主人公は東京の物理高校(現・東京理科大)卒業とされるが、弘中は同志社大出身など、異なる部分もある。

 熊谷市は、弘中が熊谷市にいた頃に残した手記など、10~20点の資料をデジタル化し、5月下旬からインターネットサイト「熊谷デジタルミュージアム」で公開する予定。市内にある文学者ゆかりの地をまとめたガイドブックも作成し、弘中が旧制熊谷中にいた頃に住んでいた借家跡を示す看板も掲載する。

 熊谷市立江南文化財センターの担当者は、「坊っちゃんの主人公のモデルとされる人物が熊谷にいたことは意外と知られていない。デジタルミュージアムの資料で当時の空気を感じ、彼が過ごした熊谷に足を運ぶきっかけにしてほしい」と話している。

 ◆「坊っちゃん」=1906年、雑誌「ホトトギス」に発表された小説。松山市を舞台に、江戸っ子で無鉄砲な新任教師の主人公が、生徒や同僚教師と巻き起こす出来事をユーモラスに描いた。主人公のモデルについては諸説あり、漱石自身とする説もある。

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