【千葉】県内公立高校の一般選抜は25日、理科、社会、学校設定検査があり、2日間の日程を終えた。2日目は全日制に3万4228人、定時制に758人が挑んだ。倍率はそれぞれ1・09倍と0・58倍。

 県教育委員会によると、この日、新型コロナの影響で受験できなかったのは162人。保健室などの別室で検査を受けたのは184人だった。今後、28日と3月1日に追検査の受付をし、3日に追検査が行われる。合格発表は、7日午前9時に各高校で受験番号を掲示するほか、各校のホームページでも確認できる。

 2日目のトラブルは2件。理科の問題で、本来「胸(むな)びれ」と記載すべきを、「胸(むね)びれ」と記載していた。受験生には、黒板に訂正内容を書いて知らせた。県立船橋啓明の社会のテストでは、一部のクラスで終了を知らせる放送が流れない事態が起きた。担当教官が気付き、再度放送したが、受験した全336人中、77人が本来50分間の試験を52分間受験した。同校では公平性を担保するため、50分間で受験した259人を追検査の対象とし、希望者が52分間で受験することを認める。同校は、対象者と中学校に個別に連絡する。

 県立船橋夏見特別支援学校の普通科では、24日に同校独自の数学の問題で誤りがあった。本来「立方センチメートル」と記載すべきところ「平方センチメートル」と記載した。試験終了後に発覚。受験した全員に、この問題の5点を得点させる措置をとった。

 また県教委は、24日に発表した1日目の受験者数に誤りがあったと発表した。正しい全受験者数は計3万5210人、欠席者数は361人だった。県立八千代東で誤集計があったため。

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 模擬テスト大手の進学研究会(東京)に、各教科の問題を分析してもらった。(真田香菜子)

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 【進学研究会編集部の堀江良子次長の講評】実施期間が2日間に変わって2年目。昨年に引き続き、いずれの教科も、基礎的・基本的な問題から、「思考力・判断力・表現力」をみる問題まで幅広く出題されている。

 試験時間も昨年と同じ(国語、数学、理科、社会は50分、英語は60分)だが、今年は数学や英語に大きな変化が見られた。数学では問題構成や出題形式が大幅に変わり、英語では大問7の出題形式とページ数が変わった。時間配分に苦しんだ受験生が多かったのではないか。全体の難易度は昨年に比べ上がった。

理科

 昨年同様、大問1は小問集合、大問2~9は物理・化学・生物・地学それぞれの大問が二つずつという構成。今年は大問3(3)や大問4などに教科書レベルの実験・観察を応用した問題が出題され、思考力が問われた。また、全体的に文章量が多く、内容をきちんと理解する力が求められた。大問4(3)の作図問題は条件を整理して答える必要があり、大問4(4)の計算問題は数段階の計算を要する。いずれも複雑。全体的な難易度は昨年と比べて上がったと思われる。

社会

 昨年新型コロナウイルス感染症による学校休校に配慮して出題されなかった「国際社会」が出題され、大問数が一昨年の8問に戻った。これにより、公民的分野の大問が増加したが、公民的分野全体での小問数・配点は昨年と同様。地理的分野・歴史的分野も含め、例年通り基本的なことがらを中心に出題された。資料を読み取って解く問題では、議席数(大問7(2))など細かな計算を要する部分もあったが、落ち着いて取り組めた受験生は正解できただろう。全体的な難易度は昨年と同程度と思われる。