県予算 コロナ後見据え – 読売新聞

花のつくりとはたらき

新年度当初案4820億円

 県は16日、4年連続で前年度を上回る4820億5800万円の2022年度一般会計当初予算案を発表した。新型コロナウイルス対策費が膨らんだ影響などで、前年度比185億7000万円(4%)増。コロナ収束後を見据え、デジタル化や国内外への「地産外商」にも力を入れる方針で、浜田知事は「コロナ対応に万全を期しつつ、時代の潮流を先取りした積極的な予算だ」と強調した。22日開会の県議会2月定例会に、議案を提出する。(飯田拓)

収支

 歳入では、県税が増加した一方、国が配分する地方交付税が減少。積み立ててきた財政調整的基金104億円を取り崩し、国のコロナ対策の交付金なども活用して財源を確保した。自主財源が30・5%、国などによる依存財源が69・5%。

 歳出では、新型コロナ対策が280億7200万円、南海トラフ地震対策が310億4300万円、「アフターコロナ」時代の成長戦略の3本柱とするデジタル化、グリーン化、グローバル化に計100億8600万円を盛り込んだ。

コロナ、地震対策

 病床の確保(73億5700万円)や事業者への給付金(10億2600万円)、南海トラフ地震で高知市の被害に直結する浦戸湾の津波対策(23億6700万円)に力を入れる。

デジタル化

 オンラインで診療や服薬指導を受けるための機器を備え、中山間地域などを巡回する車両を医療機関が導入する費用を補助(600万円)。地域や年齢による情報格差解消のため、公民館などで高齢者にスマホの活用法を教える人材も育成する(700万円)。

福祉・介護

 家族の介護などに追われる若者「ヤングケアラー」の支援費用(2100万円)、国が主導する介護・福祉職員の賃上げ費用(10億4600万円)を計上した。

1人70万円 教育や土木重点

 今回の予算額を県人口で割ると、県民1人に約70万円が使われる計算だ。教育費(13万5000円)や健康福祉費、道路整備などに充てられる土木費(9万円)の割合が高い。ローン返済にあたる公債費は9万5000円となっている。

「教科担任制」対応 小学校へ元校長派遣

県教委

 県教育委員会は、新年度から小学校高学年の外国語、理科、算数、体育を中心に「教科担任制」が全国一斉で始まるのに伴い、「小学校教科担任制・組織力向上アドバイザー事業」(2800万円)を新たに実施する。元校長7人がアドバイザーとして各校を訪問。組織上の課題や学力向上に関して指導や助言を行う。

 県教委によると、県内では全184校のうち7割以上が2学級以下の小規模校で、教員数に余裕がないため、連携する中学校から派遣を受けるなどしながら、2年ほどで定着させていくとしている。

高知署庁舎解体 宿毛署など移転

県警

 県警関係は209億8600万円(前年度比13・9%減)。高知署現庁舎解体や新庁舎駐車場整備などに4億6400万円、南海トラフ地震の津波で浸水の危険がある宿毛署と室戸署の新築移転に向けた実施設計や造成費などに計1億8900万円を計上した。災害派遣部隊の拠点や休憩場所に使うシェルターの購入費660万円も盛り込んだ。

 信号機新設や約400基のLED化など交通安全施設整備費に5億7200万円、脱炭素社会の実現に向けたパトカー1台の電気自動車への更新費に570万円を充てた。

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