サタデーステーション 1月29日OA 未来をここからプロジェクト SDGs特集
1月16日に行われたバレーボール・V2のつくば対トヨタ自動車。
接戦となったこの試合で連続得点を決めるなどチームを盛り立てたつくばの瀧澤陽紀選手です。
実はこの試合の3日前には…
「こんにちはー!」
体育館に響く生徒たちの声。
地元つくば市の谷田部東中学校で生徒たちを指導していました。
谷田部東中学校では10の運動部と吹奏楽部の希望者を対象に週に1回、地元つくばのクラブチームや、筑波大学の学生などをコーチに招いて指導してもらっています。
(つくばユナイテッドSun GAIA 瀧澤陽紀選手)
「現状、中学生の部活指導者、専門的に教える人が正直少ないんですね。今回、3〜4年前ですね『力を貸してほしい』ということでお受けしたんです」
文部科学省は2023年度から、休日の部活動を段階的に地域に移行する「部活動改革」の方針を示しています。
それに先駆け、谷田部東中学校は2018年度にDCAA=洞峰地区文化スポーツ推進協会を設立。
生徒たちは部活動とは別にそのクラブに参加する形で指導を受けることができるのです。
財源は生徒一人が支払う月1250円の会費と国の補助金などで賄われています。
(生徒)
「部活でも楽しいですけど、DCAAは好きでやってるので」
「(DCAAは)細かいところまで教えてくれる感じがします」
保護者は…
(保護者)
「中学校の部活でお金がかかるってなんだろうって、やっぱり最初には思いました、ただ話を聞いていくとプロの方に月々この値段で教えてもらえるというのはメリットの方が大きいかな」
背景には顧問の先生の負担を減らす狙いがあります。
(つくば市立谷田部東中学校 八重樫 通 校長)
「今までは、ある意味教員のボランティアスピリッツで支えてきたけれども、社会構造の変化、また学校の業務の変化などによって、膨大な業務が増える中で支えきれなくなってきた」
(つくばユナイテッドSun GAIA 瀧澤陽紀選手)
「目的を持って意識をして練習メニューをやらないと身に付かないし、試合で結果が出ない」
バレー部の生徒たちが瀧澤選手の指導を受けている間、職員室では…?
「1・1・2・2・2・2…」
バレーボール部顧問の香取先生は学力テストの採点をしていました。
(バレーボール部顧問 香取祥子先生)
「(普段ならば)部活みてからマル付けとかしていると思います」
部活動の負担について聞くと…
(バレーボール部顧問 香取祥子先生)
「部活見てから授業準備とかになると、例えば私理科を受け持っているんですけど、予備実験したりとか暗い中やらなきゃいけなかったりするので」
導入後、学校が先生たちに対して行ったアンケートでは81%が「授業準備や教材研究の時間が増えた」と答え、75%が「家族で過ごす時間が増えた」としています。
この日、筑波大学の学生が指導したテニス部。
その顧問の原田先生は…
(テニス部顧問 原田祥子先生)
「前の学校にいるときよりもこちらの学校に来てからの方が退勤時間も早いですし、プライベートの時間もしっかり持てている」
原田先生は午後7時前には仕事を終え帰宅しました。
この取り組みは先生たちの負担を減らす一方でスポーツなどを楽しみたい子どもたちの環境を整える方法でもあるのです。
スポーツ庁の推計では少子化などの影響で2048年度には運動部に所属する中学生は2018年度と比べておよそ27%減り、チームスポーツ、特に軟式野球は8割以上減ると予測されています。
そのため今後は、部活動を学校単位ではなく地域で維持する必要があるのです。
先生たちの働きがいと、子どもたちが部活を楽しむ機会。
その両方を持続できる未来が部活動の“地域移行”にあるのかもしれません。
(つくば市立谷田部東中学校 八重樫 通 校長)
「子供たちを置き去りにした部活動改革では子供たちにも申し訳ないし、社会からも理解が得られない、この理解が得られなければ結果的に持続可能にはならない」
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