ならまち暮らし:奈良を理科する=寮美千子 /奈良 – 毎日新聞

花のつくりとはたらき

ならまち暮らし

毎日新聞
2022/1/26 地方版
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 奈良市の璉珹寺で毎月開かれている「京終さろん」は、10年目に突入。99回目の講師は、元理科教諭の竹中良行さん(85)。JR京終駅を端緒に蒸気機関やレールのメカニズムを解説し、老いも若きも興味津々で、大好評だった。

 「明治生まれの父も教員でした。『教師は任地で土になるつもりで働くべき』との信条で、転勤のたびに引っ越し。ですから、ぼくは小学校を四つ、中学を二つ、渡り歩いています。小3と小4の2年間は、山辺郡丹波市町(たんばいちちょう)立原興(りつげんこう)国民学校の藤井分教場でした。全校生徒23名で、教師は父1人だけ。父は1、2年生には文字を教え、5、6年生には受験指導をしたので、3、4年生は自習ばかりに。漢字は覚えましたが、筆順は……」と笑う。「当時は終戦直後。放課後は友だちと田んぼでイナゴやタニシを捕って、晩のおかずにしました。そんな暮らしのなかで自然に触れ、科学への興味が育ちました」

 郡山高校に入学。家計を助けるために、学校の購買部でアルバイトをした。

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