アンケートは、2021年10月下旬から12月中旬にかけて実施した入試分析報告会において、進路指導に携わる高等学校の教員を対象に行われたもの。回答数は365名。2022年度もコロナ禍での実施となる大学入試について、受験生の志望校や進路選択における傾向がどう変化しているのかをまとめている。
総合型・学校推薦型を積極的に利用したがる傾向は、「強まっている」「やや強まっている」があわせて70.9%にのぼった。多面的評価のため総合型・学校推薦型を拡充する大学が増える中、受験生が入試方法の1つとして積極的に検討しているようすがうかがえる。
チャレンジ志向(目標を高く設定する傾向)は、「強まっている」「やや強まっている」が31.9%、「弱まっている」「やや弱まっている」は23.2%と前回調査(2020年度入試)と比べて低くなっており、受験人口減にともなう大学入試の緩和がチャレンジ志向を高めている傾向がみられた。
就職を意識した学部系統選びをする傾向は、「強まっている」「やや強まっている」が57.4%と過半数を占めた。新型コロナ感染拡大前の前回調査時と比べると「強まる」傾向は25%上昇しており、コロナ禍での経済状況や採用活動状況を考慮し、より就職を意識した学部系統を選択していることがわかる結果となった。実際に難関資格系の学部系統には志望者が集まる傾向も出ている。また、コロナ禍で「通学可能な範囲の大学を選ぶ志向」も「強まる」傾向が半数を超え、学生生活のあり方そのものへの大きな影響がみられる。
進路選択・決定における保護者の意向は、「強まっている」「やや強まっている」が5割超え、「弱まっている」傾向の回答はほとんどみられず、子供の進路決定に保護者が深く関わる傾向に大きな変化はないと言える。
奨学金・奨学金制度の活用を考える生徒は、「増えている」「やや増えている」60.2%、「変化なし」39.2%。大学独自の奨学金制度の導入が進んでいることや、国による新しい修学支援制度の周知が進んだことから、活用を考える傾向は強まりをみせているという。家庭の事情で大学への進学自体を見直す生徒は、「変化なし」が72.8%と大半を占めた。「減っている」「やや減っている」は1%に満たず、依然として家庭の経済環境の厳しさが高校生の進学に影響を与えているようすがうかがえる。
アンケート結果の詳細は、Kei-Netの「入試・教育トピックス」で公開されている。
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