経済の鍵を握るのは「個人消費の回復」 コロナ禍3年目 リベンジ消費に期待 宮城県内の消費動向を分析 – www.fnn.jp

基本問題

特集は新型コロナの感染拡大、収束に大きく左右される、宮城県内の経済の動向についてです。宮城県内の個人預金残高を示したデータです。コロナ感染拡大前の2年前と比べると…全体で6270億円増加しています。これまでの外出自粛などの結果、使えなかったお金が家計に積みあがっているということになります。今年の経済の鍵を握るのは「個人消費の回復」となりそうです。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友 上席研究員


「我慢してきた消費マインドが爆発して、『リベンジ消費』が本格化することが期待できる年だと思います」

こう話すのは県内の経済を調査する田口庸友さん。今年は消費者マインドの変化が行動に現れるのではと分析します。

梅島三環子アナウンサー


「青葉区の百貨店でも少しずつその影響が出始めています。ここで、今売り上げを伸ばしているものとは?」

それは…!時計や宝飾品などのいわゆる高額商品。仙台三越では去年のゴールデンウィーク頃から売り上げが伸び続けていると言います。

仙台三越衣料雑貨営業部 千葉祐司 部長


「特選ブランドのような高額品によく動きがみられる。コロナ禍で旅行に行けなかったり『コト』に向けられる機会が減る中、『モノ』にシフトしてきているのかと思う」

また「癒し」を求めて自宅に飾る絵画やルームフレグランスの売れ行きも好調だそうです。

仙台三越衣料雑貨営業部 千葉祐司 部長


「生活の中で心の豊かさを求めるために比較的よいもの、上質なものが指示されていると思う。コロナ禍で入店数が減っている中でも客単価は上がってきているので、消費の気持ちがあると思う」

一方、こちらのインテリアショップでも売れ筋に変化が。

アクタス仙台店 川合真裕 店長


「コロナ以降は高級ライン、輸入家具の商品…金額で100万円に近いソファーが購入されるケースが増えてきている」

家具の中でも最近人気が高いというのが「ソファー」。以前は20万円台のカジュアルソファーをメインで販売していましたが、最近ではさらに品質の良い商品を求める声が増えているといいます。また、おうち時間が増えたことでリモートワーク用のデスクや、家の中で自然を感じる観葉植物の売り上げもこれまでにない伸び率だそうです。

アクタス仙台店 川合真裕 店長


「売り上げは前年、前々年比を大きくアップしている。来店客数も減る気配がないので、今年も続くのではと想定してる」

そして、マイカーへのニーズも高まっています。

ヤナセ仙台支店 宮本博之 支店長


「新規の方は増えている。コロナ禍で安全な移動手段として車が見直され、より安全で満足のいくクオリティの高いものを選んでいるのかなという感じはある」

人気のSUV系の中でも500万円から600万円台の通常モデルに、200万円から300万円プラスしてグレードアップした車のニーズも高いといいます。しかし、ある問題も。

ヤナセ仙台支店 宮本博之 支店長


「半導体不足の問題で生産制限があり、納車が見えないというのが現状」

このため、去年の秋以降は年式の新しい中古車に多くの引き合いも。ただその在庫も減ってきているのが現状です。

ヤナセ仙台支店 宮本博之 支店長


「在庫がないので、売りたくても売れない厳しい状況。半導体の問題が収束して潤沢に在庫があった時にすぐに購入頂けるよう、お客さまとの関係性を深めることが今大事と思う」

一方、街ではこんな声も…。

街の人


Q.家計の余裕って感じてる?


「家計の余裕はないです。仕事も減っちゃうのでキツキツです」


「値上がりしているから、節約する方が多い」


「収入も減ってきている。ただ生活していかなくてはいけない…」

高額商品の売れ行きが好調な半面、聞えてくる節約志向の声。田口さんは経済回復の底上げには「より多くのお金を消費に回す」ことがポイントになると指摘します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友 上席研究員


「数で言えば、一般の消費者が多い。ただリベンジ消費で動く金額はそれなりに大きい。この二つがせめぎ合う。消費で節約して貯蓄が溜まることは個人で見ればいいことかもしれませんが、社会全体でみると消費が増えないと賃金も増えない。倒産や失業になりかねない。苦しい業界にとって需要が回復することが大事でリベンジ消費がかなり寄与すると思う」

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