オミクロン対策、在宅療養体制を強化…首相が追試実施など入試での柔軟な対応求める – 読売新聞オンライン

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 岸田首相は11日、感染が拡大する新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」対策として、病床の
逼迫ひっぱく
を避けるために在宅・宿泊療養体制を強化することを柱とした「基本姿勢」を発表した。ワクチン3回目接種の前倒し対象を医療従事者や高齢者だけでなく一般にも拡大する。大学や中学、高校の入試については追試・再追試実施など柔軟な対応を求める考えを示した。

記者団の質問に答える岸田首相(11日、首相官邸で)=源幸正倫撮影

 首相が同日、首相官邸で記者団に明らかにした。首相は、オミクロン株の特性について「感染力が高い一方、重症化率は低い可能性が高い。高齢者などで急速に感染が広がると重症者の割合が高くなる恐れがある」との認識を示した。その上で、入院患者を受け入れるコロナ病床は重症者と中等症患者、そのリスクの高い人への対応に重点的に割り当てると強調した。

 一方、入院を要しない軽症者や無症状者らの在宅・宿泊療養に対応する医療機関について、首相は計画より3割多い全国1万6000機関に上るとし、「即応体制を強化した」と説明した。想定を超えた感染拡大にも対応するため、オミクロン株感染者の入退院基準を見直す考えも示した。

 既に米メルク社製が特例承認されている経口薬(飲み薬)については、米ファイザー製も「2月中にできるだけ早く実用化を目指す」と語った。

 在宅・宿泊療養強化で保健所の負担が増すため、政府は医師会と薬剤師会、看護協会に協力を促す。首相は11日の全国知事会とのオンライン会合で「知事や医療関係者との連携の下、保健所だけに頼らない重層的ネットワーク作りを早急に進めたい」と呼びかけた。

 ワクチン3回目接種に関し、首相は、昨年12月に追加購入が決まった米モデルナ製ワクチン1800万回分を活用し、「3月以降、一般分も前倒しする」と明言した。接種加速のため、自衛隊が東京と大阪に設けていた大規模会場を再び開設する。

 大学入試については、感染などで大学入学共通テストの本試験、追試験とも受験できない場合、個別入試で救済するなどの対応を各大学に求めた。4月以降の合格発表と入学も認めるよう大学側に促す。中学、高校入試も追試などの対応を求める考えを示した。

 外国人の新規入国を原則停止するなどの水際対策は延長する。骨格は2月末まで維持し、政府は今後、対策の重点を国内対策に移していく考えだ。

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