県内の公立中高一貫校の中等部三校と私立中学校二十六校で八日、入学試験が実施された。浜松市中区の浜松西高中等部では、早朝から会場入りする受験生を、家族らが見送った。 (細谷真里)
新型コロナウイルス禍が続く中、同校は、例年駆け付ける学習塾の「応援団」に、昨年に引き続き自粛を要請。見送りにきた受験生の母親(49)は「コロナやインフルエンザのワクチン接種をしたり、年末年始は塾以外には出掛けなかったりと、気を付けて過ごしてきた。コンディションはばっちりです」と話した。
学校側も、消毒や換気をしながら暖房で室内を暖めるなどコロナ対策を実施。控室から受験会場の教室に移動した受験生は、時計や筆記用具を確認し、緊張した面持ちで試験開始を待っていた。
県教委などによると、同校の志願者数は三百五十人(定員百六十人)だったが、一人欠席し倍率は二・一八倍だった。清水南の志願者数は百九人(同百二十人)で倍率は〇・九一倍。沼津市立沼津は百七人(同八十人)だが一人欠席し、倍率は一・三三倍となった。
県私学協会によると、今月十五、十六日に試験をする西遠女子学園中学を含め、私立は計二十七校で入試を行い、計二千百四十人を募集している。
◆読解力・速度問われる
クラ・ゼミ入試分析
公立中高一貫校の中等部入試の出題傾向について、総合予備校クラ・ゼミの講師陣に分析してもらった。
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総合適性検査問題では、幅広い教科・学年から出題され、算数・理科・社会の得点が全体の80%、残りは実技科目と国語、さらに今年は英語が一問出題された。出題形式は例年通り、会話を主体としており、読解力・読解速度を要する問題が多い傾向にある。
浜松西高中等部の作文問題では、(1)「文章読解」(2)「主題の読み取り」(3)「主題に対しての自分の考えとその根拠」−の三つの内容が含まれていた。出題された文章は具体例が多く挙げられており、例年に比べ読みやすいものとなっていた。設問は二題あり、作文は例年通り四百〜六百字といった長文による記述になっており、時間内にまとめ・表現する力が試されるものになっていた。主題の読み取りについては十五〜二十五字以内と字数制限が少なくなっていたため、例年より易化傾向にある。
来年度の受験生へのアドバイスとしては、まず学校で習った知識がベースとなっている問題が多いため、日々の授業をおろそかにしないこと。そして(1)物事を注意深く観察し必要な情報を整理し、論理的に思考していく力(2)「なぜそうなるのか?」という疑問を持ち、原理・原則を追求する力(3)適切な語彙(ごい)を用いて表現(説明・記述)できる力−という三つの力を付けることを意識し、日々の学習に取り組む必要がある。
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