[1.4 選手権準々決勝 静岡学園高 1-1(PK3-4) 関東一高 フクアリ]
終了間際に失点を喫し、得意としていたPK戦で敗北——。静岡学園高GK生嶋健太郎(3年=ヴィッセル神戸U-15)にとって、最後の選手権は苦しい幕切れとなった。「内容では圧倒できたと思うけど、サッカーは勝った者が強いので悔しい気持ちが残る」。この悔しさは今後の大学生活で晴らしていくつもりだ。
前後半の80分間で放たれたシュートはわずか2本。ところが、その2本目が致命傷となった。1-0でリードした後半40分、カウンターで完全に崩されて守護神にはなすすべなし。「時間も時間で、ほとんどここを抑えれば勝利が近づくというところ。チャレンジアンドカバーをもっと徹底するべきだった」。悔やんでも悔やみきれない失点となった。
またそうして迎えたPK戦では「もともと得意で、高校に入ってから負けたことがなかった」と自信を持って臨んだが、相手のシュートがことごとくシビアなコースに突き刺さった。
「まずPK戦になる前に決着をつけないといけなかったというのを一つ思っている。終了間際で失点してしまって、流れは相手のほうがあって、勢いもあった」。そう振り返った生嶋は「PKのキックも素晴らしいところに蹴ってこられたので相手を褒めるしかない」と最後は相手キッカーを称えた。
初の単独優勝を果たした2年前の再現を目指して臨んだ最後の選手権だったが、まさかの8強敗退。「後輩はこの悔しい思いを間近で見ていてる。自分たちの成績を絶対に超えてほしい」と後輩たちに期待を寄せた。
そんな後輩たちには今季、プレミアリーグ復帰という置き土産も残した。「プレミアという高い強度でサッカーができるので、楽しませるサッカーをしながら勝ち切るということを徹底してやってくれると思う」。生嶋らが築いた財産は来季に間違いなく引き継がれるはずだ。
また生嶋自身は2022年冬、もう一つの戦いを控えている。
それは大学受験。推薦入試シーズンでは進路が決まらず、一般入試から大学サッカーに挑んでいく予定だ。「高校3年間サッカーにかけてきて、最後悔しい思いはあったけど、その悔しい思いを今からの時間、勉強にあてて頑張りたい」。“文武両道”の守護神はサッカーと同様、努力で道を切り拓く。
(取材・文 竹内達也)
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