インターネットの普及によって、分からないことは何でもネットで調べればいい、という昨今。たとえば、家族と話しづらい“性”に関することをネットで検索する子供も多いだろう。では、ネットがなかった時代に育った世代は、親にも聞けない性の知識をどこから仕入れたのか? 元東京都知事の舛添要一氏(72才)は、意外なルートから知識を得た体験を明かす。
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地域によって違うと思いますが、私が生まれ育った福岡・北九州市では、中学生の時に家庭科と保健体育が一緒になったような授業がありました。子供が生まれる過程みたいなことは学んだように思いますね。高校生でも、生物の授業で科学的な“生殖のメカニズム”を教わりました。
しかしそんな授業がなくても、その頃には既に性の仕組みをみんな知っていた。教えてくれたのは、親でも学校でもなく町内に住んでいた兄貴分たちです。
当時、テレビはあったけれどそんなに性的なものはやらないし、いわゆるポルノのようなものはほとんど子供たちの目にはつかなかった。基本は町内の集まりで、遊びの合間に中学高校のスケベな先輩やちょっとヤクザっぽい兄貴分みたいな人から教わりました。
小さい時に一緒に遊んでいた4、5年上のガキ大将は、私たちが10~15歳になる頃にはもう18歳とか20歳。大学進学率は今ほど高くなく、ほとんどが就職して仕事に出ていたので、セックスの経験なんかを自慢気に私たちに聞かせるわけです。彼らの話といえば、もっぱらエロネタばかりだった。
学校の友人よりも、町内で教わる機会のほうが多いというのは、特有の風土なのかもしれません。北九州は暴力団発祥の地みたいなところで、高倉健さんも筑豊炭田の生まれ。健さんが演じた任侠路線を地で行くような風土がありました。ヤクザ同士が酒を飲みながら、冗談めかして子供たちに男女の話を教えるなんていうこともしょっちゅうでしたね。
性を共に学んだ町内の知人たちは、区画整理もあってバラバラになり今では連絡が取れませんが、もしみんなで会う機会があったら、「兄貴分からこんなエロ話を聞いたなあ」って、懐かしく思い出すでしょうね。
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