-
ツイート
-
みんなのツイートを見る
-
シェア
-
ブックマーク
-
メール
-
リンク
-
印刷
長野県松本市の市立旭町中学校桐(きり)分校は、全国で唯一、刑務所内に設けられた公立中学だ。3度の書類選考と面接の「難関」を突破し、全国の刑務所から希望して集った受刑者が1日約10時間も学んでいる。その理由が聞きたくて、塀の中を訪ねた。【田中理知】
11月初旬、松本少年刑務所の高い塀に囲まれた教室。男性受刑者が白シャツに黒ズボンの制服姿で学習机に向かっていた。国語の授業に出席するのは30~60代の全生徒4人。教員免許を持つ女性刑務官が歌人・与謝野晶子の短歌をホワイトボードに書いた。
<夏のかぜ 山よりきたり 三百の 牧の若馬 耳ふかれけり>。「何句切れか分かる人いますか?」。赤い縁の眼鏡をかけた男性受刑者(50)からすっと手が挙がる。「2句切れです」。この受刑者は「自分を変え、再スタートを切るにはここしかない」と決意し分校に応募したという。
この記事は有料記事です。
残り2177文字(全文2552文字)
Powered by the Echo RSS Plugin by CodeRevolution.