山梨県は、全国の小学5年生と中学2年生を対象にスポーツ庁が実施している「全国体力・運動能力調査」の県内の集計結果を発表した。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で実施されず、前回2019年度と比べると、小中学生の男女とも体力は低下していた。全国平均も前回を下回っており、県の担当者は「新型コロナの影響で体育的行事が縮小、中止され、体力向上に取り組む機会が減少して体力低下に拍車がかかったと考えられる」とみている。

 集計結果は24日発表された。調査は小学校5年生と中学校2年生(いずれも特別支援学校を含む)の計約1万2246人を対象に実施。握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、持久走または20メートルシャトルラン、50メートル走、立ち幅跳び、ボール(小学生ソフトボール、中学生ハンドボール)投げの8種目をそれぞれ10点満点の80点満点で測定した。

 中学生は男女とも、調査のなかった20年度を除く5年連続で全国平均を上回った。男子は42・27点で1・09点上回り、女子も49・13点で0・57点上回った。小学生は男女とも全国平均を下回った。男子が51・69点で0・83点下回り、女子も54・21点で0・43点下回った。

 種目別では、中学生が男子は7種目、女子が4種目で全国平均を上回り、中でも男女とも20メートルシャトルランが得意。小学生は、男子が全種目で全国平均を下回り、女子は握力とソフトボール投げの2種目で上回った。

 県保健体育課は「新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じつつ、体力の向上を図るために、運動やスポーツが好きな子どもたちの育成をめざした体育授業の工夫・改善などを推進していく」としている。(三ツ木勝巳)