- 2021.12.16
- 著者 : 佐藤 俊
毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。今年度の大学駅伝は例年以上に混戦模様。各校はいかにして“戦国時代”を生き抜くのか――。「THE ANSWER」では、強豪校に挑む「ダークホース校」の監督に注目。前回の箱根駅伝で総合8位、帝京大学を率いる中野孝行監督に、本番が近づくなかでの選手の調整法とチームマネジメントの極意について聞いた。(取材・文=佐藤 俊)
箱根駅伝「ダークホース校の指導論」、帝京大学・中野孝行監督が語る箱根駅伝に向けた調整法
毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。今年度の大学駅伝は例年以上に混戦模様。各校はいかにして“戦国時代”を生き抜くのか――。「THE ANSWER」では、強豪校に挑む「ダークホース校」の監督に注目。前回の箱根駅伝で総合8位、帝京大学を率いる中野孝行監督に、本番が近づくなかでの選手の調整法とチームマネジメントの極意について聞いた。(取材・文=佐藤 俊)
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帝京大学は、駅伝競走部以外にもラグビー部、空手道部、柔道部、チアリーディング部など“日本一レベル”の部活がある。だが、大学体育会の活動は大学ごとに独立しており、他大学との横のつながりは少ない。帝京大の駅伝競走部は、「多摩川会」に入り、学生の強化に努めている。
――「多摩川会」というのは、どういうものなのですか。
「13年前に大八木監督(弘明/駒澤大)が会長となって、学生を強くして世界へというコンセプトで始まりました。私は今、その会の副会長で、うちを始め、駒澤大、創価大、明治大、国学院大、法政大などが手弁当で、大会の運営や合同の練習会をしたり、新人教育、栄養講座をしたり、多摩川会OBの実業団選手に来てもらって講演してもらっています。こうした大学間の垣根を越えた横のつながりは、すごく大事ですね。実業団も変わりつつあるので、大学スポーツの在り方もどこを目指していくのかを考えつつ、変わっていく必要があると思います」
――箱根駅伝で言うと、昨年4月からユニフォームにスポンサーが入るようになりました。
「うちもフランスベッド社に決まりました。駅伝は合宿を始め、いろいろとお金がかかります。こうしてスポンサーが入れられるようになったのは、大学スポーツが変化するための第一歩かなと思います」
箱根駅伝が近づきつつあるが、12月上旬には箱根駅伝エントリーメンバーが発表になり、下旬には区間エントリーが発表される。この1か月間、選手は故障したり、風邪を引いて不調になったり、いろんなことが起こる。帝京大の中野監督は、「この1か月は、1年で一番選手をコントロールする時期」だという。
佐藤 俊
1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。
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