2021年12月24日
12月9日、JICA本部にて「第17回JICA理事長賞」の表彰式を開催しました。この賞は、開発途上地域の経済・社会の発展や人々の福祉・教育の向上などに寄与し、日本の国際協力の評価を高めるなど、著しい功績を収めた団体、個人の功績を称え、表彰するものです。
今年は、42の団体と個人(15団体、27人)が受賞しました。表彰式は対面とオンラインを併用する形での開催となりました。
表彰式に参加した受賞者と北岡伸一JICA理事長(前列中央・左から4人目)
表彰式にオンラインで参加した受賞者と北岡伸一JICA理事長(上段左から2列目)
表彰式で挨拶する北岡理事長
「JICA、そして日本の国際協力が世界で高く評価され、信頼されるのは、皆さまの功績によるものです」
表彰式の冒頭、北岡伸一JICA理事長はJICAのビジョン「信頼で世界をつなぐ」を紹介するとともに、受賞者に対して深い感謝の意を表しました。また、専門家やコンサルタント等として国際協力に長年従事され大きな功績をあげた方々、世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大防止に尽力された方々、近年深刻さを増す災害への対応で活躍された方々、日本国内で途上国の人々の研修等に長年ご協力頂いた方々、地方創生や地域における国際協力の理解促進に貢献頂いた方々を紹介するとともに、その功績に敬意を表する旨を述べました。
また、権威主義の台頭による世界の分断の脅威が高まるなか、国際協力の重要性は増しており、JICA世界保健医療イニシアティブなど引き続きさまざまな取り組みを進める決意を強調しました。
東南アジア地域及び南アジア地域の公害問題の対応へ多大な貢献
受賞者紹介と賞状贈呈に続き、受賞者を代表して、福田宗弘さん、特定非営利活動法人ハート・オブ・ゴールドを代表して有森裕子さんがスピーチを行いました。
公害問題の対応に専門家として関わってきた福田さん
福田さんは、約20年にわたり、専門家として、東南アジア地域及び南アジア地域の公害問題の対応に尽力されました。特にタイでは、政府機関・民間企業・地域住民・NGO等と信頼関係を構築し、JICA事業及び東南アジアで初めてとなる環境汚染物質排出移動量登録制度(PRTR制度)の構築を実現しました。
「相手国実施機関との信頼関係の構築、強化を常に第一に考えてきました」と語る福田さん。「JICAのビジョンは『信頼で世界をつなぐ」であるが、その一助になっていれば大変嬉しい」と話しました。
カンボジアの体育普及に向け、一貫した支援を実施
ハート・オブ・ゴールド有森代表は、オンラインで表彰式に参加
ハート・オブ・ゴールドは、カンボジアで草の根技術協力事業にて小学校、中学校、高校への体育科教育の発展・普及に貢献してきました。学習指導要領や指導書の作成から、体育授業の現場での指導まで、一貫した支援を実践。これまでカンボジアの教育システムでは、他の教科に比べて体育は低い位置付けで扱われていましたが、今では教育の中で子どもたちを育てていく上で重要だと認識されるようになりました。
ハート・オブ・ゴールド有森代表は、「本日の受賞は未来に向けての大きな節目であり、引き続きPhysical Education(体育)の社会的価値を届けたいです」と語るとともに、関係者に対する感謝を述べました。
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