青森県教育委員会の県立高校教育改革推進計画の第2期実施計画(令和5~9年度)がこのほど決まった。計画には2地区で4校の統廃合が盛り込まれたほか、定員割れの高校では5年4月の入試から生徒の全国募集を導入するなど、少子化やグローバル化に対応するための内容となっている。ただ、統廃合の対象となった自治体や住民からは、高校がなくなることでの地域の衰退を危惧し、不満の声がくすぶる。
バドミントン強豪校
2期計画でとりわけ注目されたのは、バドミントンの強豪校として知られる浪岡(青森市浪岡)の青森西(同市新城平岡)への統合だった。浪岡は9年度から募集を停止し、8年度入学者が卒業する10年度末で閉校する。
現在、浪岡の在校生95人のうち20人がバドミントン部に所属。このうち15人が県外からの入部者だ。5年後の入学を最後に約20キロ離れた青森西へ統合する浪岡の閉校は、全国から同地区へ集まっていた生徒と知名度を失うことになる。
青森市の小野寺晃彦市長らは浪岡の存続を求める要望書を県教委に提出。市は浪岡の存続に向け、学生寮の建設や県外入学生を対象にした財政支援策を打ち出した。
しかし策定された2期実施計画では、当初案の通り浪岡は閉校に。小野寺市長は「地域の意見を聞くということだったが、考慮されなかった」と不満をあらわにした。意見集約をめぐる県教委と地域の溝は埋まらず、計画に対する理解を得られたとは言い難かった。
避けて通れない課題
「子供が減る中で高校がどのような教育を与え、人口減少克服と青森県を支える人材をいかに育てていくかが大事」。11月12日、和嶋延寿県教育長は2期計画の意義をこう強調した。
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