「子どもと進路の話をしていたら、保護者世代が知らない大学の名前・学部名が出てきてビックリ……」
保護者のかたが高校生のころは、偏差値や模試の判定を見ながら志望大・学部を絞り込むことが多かったのではないでしょうか?
偏差値などの学力レベルには注目しても、「大学の個性」や「その大学で何が学べるか」にはあまり目を向けずに進路選択をするケースもみられました。
しかし近年は、ユニークな学部・学科を設立したり、独自の入試方式を採用したり、就職サポートに力を入れていたりと、大学ごとの個性が目立ってきています。
そこで今回は、お子さまの志望大・志望学部を選ぶにあたって注目したいポイントを3つご紹介します。
お子さまが志望大決定で迷っているようなら、学力レベル以外の観点にも注目するよう、さりげなくアドバイスしてあげてください。
ポイント1:「どんなことが学べるか」に注目!
近年は、テクノロジーの進化やグローバル化、少子高齢化などによって、社会構造が大きく変わりつつあります。
そんななかで、新しい社会課題や世の中のニーズに応えて、新しい学問領域が次々と生まれています。
狭い専門領域だけでは解決できない複雑な課題に応えるため、文理の境界を超えて、複数の学問を横断的に学ぶことも求められています。
大学の公式サイトをチェックしてみると、目新しい学部・学科名がたくさん見つかるはずです。
なお志望大を選ぶ時には、AIの普及などによって職業の在り方や働き方が急速に変わってきていることも考慮したいものです。
今ある職業も、もしかしたらAIによって違う形に変わっていくかもしれません。
現状の職業イメージだけではなく、お子さまの興味を大切にしながら「大学で学ぶ学問はどんなふうに社会の役に立ちそう?」と一緒に考えながら志望大・学部を絞り込んではいかがでしょうか。
ポイント2:大学が掲げる「3つのポリシー」に注目
それぞれの大学では、「アドミッション・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「ディプロマ・ポリシー」の3つのポリシーを掲げて教育活動を行っており、HPなどにも明記されています。
この3つのポリシーには、各大学のこだわりや特徴が表れています。
つまり、3つのポリシーを知ることで、「その大学でどんな学びができるか」「どんな大学生活を送れそうか」などがイメージしやすくなるのです。
3つのポリシーの内容を、それぞれ簡単に紹介しましょう。
【●アドミッション・ポリシー】
「アドミッション・ポリシー」とは「入学者受け入れ方針」のことで、どんな人に入学してほしいか、そして、その大学・学部で学ぶのに必要な学力や、高校時代に身に付けておきたい力を示しています。
同じ学部名でも、大学によってアドミッション・ポリシーの内容は異なります。
また、アドミッション・ポリシーに合う学生を選抜するため、独自の入試方式を導入する大学も増えています。
その大学独自の入試からは、「こんな学生に入学してほしい」という大学・学部からのメッセージを読み取ることができます。
その一例として、お茶の水女子大学文教育学部のアドミッション・ポリシーと、「新フンボルト入試」について紹介します。
<お茶の水女子大 文教育学部 アドミッション・ポリシー(一部抜粋)>
本学部志望者には、高校において文科系の科目はもちろん理数系の科目まで幅広く、同時にどん欲に深く学習することを望みます。
さまざまな領域や場で、リーダーが求められています。人間の思考や行動、表現に強い関心を持ち、意欲と能力と個性に富んだ皆さんが志望することを期待します。
※引用:お茶の水女子大学
<新フンボルト入試(総合型選抜)選抜方法>
文系の第1次選考では、プレゼミナールを受講し、その場でレポートを提出。理系は出願書類で第1次選考を行う。第2次選考では、文系は「図書館入試」を行い、理系は「実験室入試」を行い、それぞれの学科の特性を生かした丁寧な選考が実施される。
※参考:お茶の水女子大学
お子さまが興味を持っている大学・学部があれば、一緒にアドミッション・ポリシーを確認してみましょう。
そのポリシーにお子さまが共感できそうなら、入試方式についても調べ始めてみるとよいでしょう。
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