塀の中、学ぶ喜び 刑務所の中学校、30~60代4人 長野・松本 – 毎日新聞

塀の中、学ぶ喜び-刑務所の中学校、30~60代4人-長野・松本-–-毎日新聞 基本問題

毎日新聞
2021/12/15 大阪朝刊
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数学の授業を受ける受刑者たち。窓に鉄格子がはめ込まれた教室の後方には、刑務官が監視に立っている=長野県松本市立旭町中学校桐分校で2021年11月8日午前10時20分、田中理知撮影
数学の授業を受ける受刑者たち。窓に鉄格子がはめ込まれた教室の後方には、刑務官が監視に立っている=長野県松本市立旭町中学校桐分校で2021年11月8日午前10時20分、田中理知撮影

元組員「戦争も、子どもの貧困も知らなかった」

 長野県松本市の市立旭町中学校桐(きり)分校は、全国で唯一、刑務所内に設けられた公立中学だ。3度の書類選考と面接の「難関」を突破し、全国の刑務所から希望して集った受刑者が1日約10時間も学んでいる。その理由が聞きたくて、塀の中を訪ねた。

 11月初旬、松本少年刑務所の高い塀に囲まれた教室。男性受刑者が白シャツに黒ズボンの制服姿で学習机に向かっていた。国語の授業に出席するのは30~60代の全生徒4人。教員免許を持つ女性刑務官が歌人・与謝野晶子の短歌をホワイトボードに書いた。

 <夏のかぜ 山よりきたり 三百の 牧の若馬 耳ふかれけり>。「何句切れか分かる人いますか?」。赤い縁の眼鏡をかけた男性受刑者(50)からすっと手が挙がる。「2句切れです」。この受刑者は「自分を変え、再スタートを切るにはここしかない」と決意し分校に応募したという。

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