来年度の全国学力調査は4月19日 約20万人に質問紙CBT – 教育新聞

来年度の全国学力調査は4月19日-約20万人に質問紙cbt-–-教育新聞 花のつくりとはたらき

 文科省は12月13日、来年度の全国学力・学習状況調査を4月19日に実施する方針を、「全国的な学力調査に関する専門家会議」の第4回会合で報告した。教科に関する調査では国語、算数・数学に、3年に一度程度実施している理科を追加する。また児童生徒質問紙調査では、今年に引き続きパソコンやタブレット端末を使ったオンライン回答方式を導入。対象者の規模は1万人程度から20万人程度まで拡大する。オンラインでの回答は希望する小中学校で4月19日から28日の間に、分散させて行う方針。

 理科の調査は2012年度、15年度、18年度に続き4回目。また児童生徒質問紙調査では、理科、算数・数学、地域との連携、新学習指導要領といったテーマのほか、GIGAスクール構想や学校での新型コロナウイルスへの対応に関する項目を入れる。質問項目は児童生徒や学校の負担とならないよう精選し、前回調査の項目数より増えないようにする。

 調査の実施日に、やむを得ない事情で実施できない場合の「後日実施」の期間は4月20日から5月20日まで。通例は約2週間としているが、新型コロナウイルスの影響を考慮し、今年度と同じく後日実施期間を約1カ月間に延長する。後日実施の場合は全体の集計からは除外されるが、採点や調査結果の提供は行われる。

 今年度の全国学力・学習状況調査では、児童生徒質問紙調査について、端末を活用したオンラインによる回答方式を試行的に実施した。対象は一部の国立大学附属学校108校で、回答した児童生徒の数は小学生4314人、中学生7035人の計1万1349人だった。実施期間は今年5月27日から6月10日まで。

 文科省の分析によれば、無回答率は紙・オンラインで違いはなく、回答時間も通常の実施の範囲内だった。ICTの利用に関する質問項目では回答傾向の違いが見られたが、「紙・オンラインの違いによるものではなく、ICT利活用が進んでいる学校においてオンラインで実施されたことで、回答傾向の違いにつながった可能性がある」とされた。

 来年度も規模を拡大しつつ、希望する小中学校でオンライン回答方式を導入する方針だが、専門家会議の委員からは「オンラインを希望する学校を募ると、今年度と同じくICT利活用の進んでいる学校とそうでない学校を比べることになりかねず、紙・オンラインという回答方式による比較が難しくなる。手を挙げた学校でも、あえて紙で回答する学校と、オンラインで回答する学校を、無作為に分けて比較する必要があるのでは」といった指摘が上がり、文科省の担当者は「そうした観点も含め検討したい」と応じた。

 児童生徒質問紙調査について文科省は「選択肢式のみのアンケート形式であり、システム・ネットワーク面および児童生徒の端末の操作などにかかる課題は、教科調査よりもクリアしやすいと考えられるため、教科調査に先駆けてオンラインによる回答方式を全面導入することが可能」として、24年をめどに、原則全ての児童生徒を対象としてオンライン回答方式に移行することを目指している。

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