中3刺殺事件の“3つの疑問”…学校での凶行・包丁のネット購入・犯行の動機 犯罪心理の専門家が感じた事は – tokai-tv.com

中3刺殺事件の“3つの疑問”…学校での凶行・包丁のネット購入・犯行の動機-犯罪心理の専門家が感じた事は-–-tokai-tv.com 基本問題

 愛知県弥富市の中学校で3年生の男子生徒が刺され死亡した事件で、なぜ逮捕された男子生徒は凶行に及んだのか、3つの疑問から検証します。

■なぜ多くの人が集まる学校で…専門家「犯行の決意、意志の強さを感じる」

 体育祭で仲間の中心に座り、賞状を掲げる弥富市の中学3年生の男子生徒(14)。明るい性格でリーダー的な存在だったといいます。その命が突然、奪われました。

 中学3年の男子生徒が24日、同学年の男子生徒に包丁で刺され死亡した事件。その犯行現場となったのは2人が通う中学校でした。なぜ、多くの人が集まる中学校で男子生徒は犯行に及んだのか。犯罪心理学の専門家は…。

逮捕の中3生徒「トラブルがあり嫌な思いをした」趣旨の供述 殺害された生徒は“明るくリーダー的存在”

関西国際大学心理学部の中山教授:


「確実に被害者と接触することができて、まだ授業が始まる前という選択ですから、犯行の目的を達するためには最適な場所じゃないかと私は思いました」

 今回、男子生徒が犯行に及んだのは校舎の2階、3年生の教室前の廊下でした。

 男子生徒と被害に遭った生徒は隣り合う別々のクラス。捜査関係者によりますと、学校では別のクラスに生徒が入ってはいけないというルールがあり、登校した男子生徒は始業前に被害に遭った男子生徒を廊下に呼び出しました。そして、腹のあたりを包丁で刺しました。中山教授:


「わざわざ廊下に呼び出して孤立させて、周りから止められないような状況を作っている。確実にこの人間を抹消しないと自分の思いが遂げられないと、それだけの犯行の決意、完遂しようという意思の強さは感じますね。他の教室に入ってはいけないという学校のルールを守っていますから、割と冷静に綿密に計画を立てて、どうやったらうまく犯行ができるかということをあらかじめ計画したと考えています」

■凶器をネットで準備した理由は…

 犯行に使われたのは、刃渡りおよそ20センチの刺身包丁。その入手方法について「ネットで買った」と供述している男子生徒ですが、なぜネットで購入したのか…。

中山教授:


「今はネットの時代なので、ネットで『包丁』と検索すれば、どういう決済方法とったか分かりませんけども、簡単に購入できて手軽に自宅に届くと、その手軽さをとったのではないか。購入履歴が残るとか配達履歴が残るとか、そういったことも考えなかったと思います」

 人の目に触れないインターネットショッピング。クレジットカードで支払い自宅に郵送することが一般的ですが…。

(リポート)


「配送先を自宅近くのコンビニに指定し、代引きで商品を受け取るようなシステムもあります」

 自宅以外で受け取り、家族への発覚を防いだ可能性も。警察は、逮捕した男子生徒の自宅からスマートフォンを押収し、購入のいきさつなど解析を進めています。

■男子生徒は「嫌な思いをした」という趣旨の供述も 周囲も首かしげる犯行動機は…

 最大の疑問、謎に包まれた犯行動機は…。

 捜査関係者によると、男子生徒は「2人の間にトラブルがあり、嫌な思いをした」という趣旨の供述をしているということです。しかし…。

中学校の校長(24日):


「(2人の間のトラブルは)学校として今のところ思い当たるところはありません。なんでそんなことをやったのかなということが私たちにもよく分からなくて、非常に混乱しているところなので」

 加害生徒を知る男性:


「おとなしい子だとは思うんだけど。正直言ってそんな(事件を起こす)ことはないと思っとる、あの子の感じでは。だけど心の底まで読めないもんね」

 男子生徒の周りの人たちは「なぜ凶行に及んだのか全くわからない」と首をかしげます。

 26日朝、取材に応じた男子生徒の祖父は…。

逮捕された男子生徒の祖父:


「本当に優しい子なんです、寡黙で…。(事件当日も)『行ってらっしゃい』と声をかけて『行ってきます』と返事があった。変わった様子はなかった。(Q.悩んでいる様子はなかった?)今思えばということは…。どこかで気付いてやれることがあれば」

 男子生徒が悩みを抱えていたことを匂わせるような発言をしていました。

 その後の捜査関係者への取材で、男子生徒は「色々な悩みがあった」という趣旨の供述をしていることがわかりました。

中山教授:


「今回の被害者にとっては何気なく言った言葉であっても、加害者が非常に重く受け止めたというか、非常に傷ついたというか。受け止め方によって非常に違いがでてきますので、こだわりをもつとか『許せない』という感情を抱くとか、そういったことでこういう事件を起こす」

 さらにコロナ禍のストレスや、異常な事件が相次いだことも影響している可能性もあると指摘します。

中山教授:


「相手を確実に殺害するのであれば、刃物でやるのが一番いいかなと思いつくのは、他に事件があったから。小田急線の事件、京王線の事件があったから、『これで自分もやってみよう』と手段として思いついた可能性はありますね」

 取り乱す様子もなく、取り調べに応じているという男子生徒。警察は動機などについて慎重に調べています。

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