「2022年一般選抜の難易変動はこうなる!? 」は、「蛍雪時代・2021年11月号臨時増刊」の特集より、加筆・変更を施して旺文社教育情報センターWebサイトに転載したもの。各大学・学部や学部系統などの動向を分析している。
旺文社の推定によると、2021年は4(6)年制大学の受験生数が63万3,000人と、2020年より4.8%減少。2022年は高卒者数の減少(2.0%減)に加え、新型コロナウイルス感染拡大による経済状況低迷の影響から、大学・短大への現役志願率も引き続き低下が予想され、大学受験生数は旺文社の推定で61万3,000人と、前年より3.2%減少すると見られる。2022年度は、大学入学共通テスト(共通テスト)の過去問を利用できる初年度であり、休校措置がなく例年通りの受験スケジュールをこなしているので、共通テストへの不安感は薄らいだと思われる。
スポーツや文化活動の諸大会・コンテストや各種資格・検定も例年に近い規模で実施されているため、学校推薦型選抜や総合型選抜、特に指定校推薦で早期の合格確保を図る受験生の増加が見込まれる。ただし、罹患者の救済措置の追試験や、一般選抜が実施困難な時の代替措置は共通テスト利用が基本となるので、セーフティーネットとして共通テストの出願は重要。こうした要素を考えあわせ、共通テストの出願者数は、大学受験生数の減少にほぼ比例し、2021年より3%程度減少し、52万人前後と予測している。
高校・予備校の進路指導のベテラン先生方へのアンケートでは、国公立大志向について前年に比べ「やや弱まる」が減り、「やや強まる」という回答が増えた。コロナ禍の影響から、大都市圏以外の受験生の「超地元志向」が継続。経済状況の低迷による家計不安、感染状況の違いから、オンライン授業が多く、本来のキャンパスライフにはほど遠い大都市圏の大学を敬遠する傾向は変わらない。このため、対面授業の比率が高く、通学範囲内で難易度の面でも手が届きそうな地方国公立大は、安定して志願者を集めそう。しかし、共通1次試験やセンター試験でも導入2年目は平均点がダウンした前例もあり、共テの平均点ダウンが予想され、国公立大の出願には「向かい風」になるという。
私立大志向については、先生方の回答でも見方が分かれた。現状では「2021年より強まる」「やや強まる」との回答が多かったが、これは推薦型・総合型人気の反映といえる。コロナ禍による家計急変や感染拡大の懸念から、「より早く確実に」合格を確保するため、もともと推薦型や総合型への志向は強まっている。特に、指定校制の希望者増が顕著との声が多く聞かれる。一方、大学側が一般選抜の募集枠確保のため、指定校制の枠を前年より絞っているともいわれる。このため再挑戦組が一般選抜へ回る可能性もある。
入試動向分析では、おもな国公立大学について、2022年一般選抜の変動要因と志望・難易動向をまとめているほか、私立大学でも入試方式・日程等を略記している。
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