学校で馴染みのある“体育座り”が、子どもの体に悪影響をもたらすとして、体育座りをさせない取り組みをしている学校が話題になっている。
「脱・体育座り」でパイプ椅子を導入
「脱・体育座り」の取り組みをしている学校は、山口県下関市立豊北中学校。2021年の4月に、全校生徒が集まる講演会で1時間以上体育座りをしていた生徒達の辛そうな顔を見て、学校側が「脱・体育座り」を決めたという。そこで取り入れたのが“パイプ椅子”だった。
パイプ椅子を取り入れた結果、集中力が上がり話をちゃんと聞くようになったそう。さらに、女子生徒にとっては制服のスカートが気にならなくて済むということだ。
加藤綾子キャスター:
確かに、体育座りはおしりの骨がゴリゴリと床にあたってすごく痛いですよね。1時間くらいだと辛いので、パイプ椅子とかに座れるとすごくいいなと思います。
榎並大二郎キャスター:
さらに冬の体育館は冷たいですよね。
そもそも日本で体育座りが広まったのはいつだったのか?
1965年、今から56年前に当時の文部省が発行していた「体育科における集団行動指導の手びき」というもの。その中には「腰をおろして休む姿勢」として現在で言う体育座りが掲載されていた。
この手引きがこの体育座りが全国に広まったきっかけなのか、スポーツ庁に問い合わせをしたところ、「当時すでにある程度導入されていた」そして「それが参考資料としてまとめられていたのではないか」ということで、体育座りはもっと前から浸透していたという可能性がある。
体育座りは“腰痛などの原因に”
この長時間の体育座りが子どもたちの体にどのような影響があるのだろうか?
人間の姿勢を研究している武蔵野美術大学・矢田部英正さんは「猫背のように背中が丸くなってしまうと、内臓や座骨にストレスがかかり、腰痛などの原因につながる」としていました。
では、床に直接座るにはどのような座り方がいいのか?
矢田部さんは「歌膝」という、中世宮廷の歌人が歌を詠む時の座り方。これが適していると。
榎並大二郎キャスター:
では、スタジオで実演してみます。あぐらを少し崩したような状態から、片足をクロスするように前に出します。この座り方が「歌膝」です。
確かに、背筋がピンと伸びてますよね。猫背にならなくて済む、長時間座るのに適している座り方だということです。
加藤綾子キャスター:
「歌膝」という座り方があるということを知らなかったです。それでも、おしりはゴリゴリしそうだなと思っちゃいます。
榎並大二郎キャスター:
スポーツ庁の担当者は、「長時間子どもたちを同じ体勢で座らせると体に負担をかけることになるから、体育座りに限らず適切な時間で指導することが重要」だとしていました。
(「イット!」9月15日放送より)
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